近い将来、富裕層ほど真っ先に車を手放すと予想する理由

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富を得る人と失う人がくっきり分かれる

不動産という観点では、自動運転車がメインということになると、住宅やオフィスの設計にも影響が出てくる。これまでは駐車場の確保が物件の価値に大きな影響を与えていたが、新しい時代には、シェアード・カーの利用や自動運転車の取り回しが容易なエントランスなど、重視すべき点が変わる。すでに立体駐車場の一部は、利用者の減少から維持が難しくなっており、ビジネスに現実的な影響が出はじめている。

歴史を振り返ると、こうした大きなイノベーションが発生するたびに、物事に対する価値基準は変化し、それによって富を得る人と失う人がくっきり分かれるという出来事が繰り返されてきた。

1800年代、蒸気機関の発明によって船の動力は風から蒸気へとシフトしたが、当初は蒸気機関が完璧ではなく、帆船の方が優位な時代がしばらく続いた。だが、蒸気船の技術が一定のしきい値を超えた瞬間からあっという間に蒸気船へのシフトがはじまり、帆船はたちまち淘汰されてしまった。しかも、同じ船を製造するメーカーであるにもかかわらず、帆船をメインとしていた企業は蒸気船への切り替えができず、ほぼすべてが消滅してしまった。

富裕層が富を増やし続けられる必然

筆者は数年前から、自動運転やカーシェアの普及によって自動車の本質的な価値が変わる可能性が高く、パラダイムシフトを前提に準備を進める必要があると主張してきた。だが、そうした見解を記事に書くと「コイツ、頭がおかしいのか」「デマを吹聴するな」「あまりにも無知すぎて笑える」といった誹謗中傷まがいの批判をたくさん受けるというのが常だった。

だが、現実は見ての通りである。大きな声には出さなくても富裕層はこうした準備を着々と整えているものであり、ある程度、自動運転の道筋が見えてきた今の段階では、すでに自動車を手放すことや転居などについて具体的な検討を開始している。当然だが、株式や不動産投資についても、こうした視点をしっかりと反映させているはずだ。富裕層が富を増やし続けられることの背景にはこうした事情がある。

———- 加谷 珪一(かや・けいいち) 経済評論家 1969年宮城県生まれ。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村証券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。その後独立。中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行うほか、億単位の資産を運用する個人投資家でもある。 ———-

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