人工呼吸器、新規参入に壁。トヨタなど自動車業界が参入出来ない事が判明

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人工呼吸器 参入に壁
新型コロナウイルスの感染拡大で人工呼吸器の需要が高まるなか、日本では異業種の参入が進まない。今の医療機器規制の下では新規事業者の製品認可に10カ月以上かかり、リスクも読みにくいためだ。10日はトヨタ

新型コロナウイルスの感染拡大で人工呼吸器の需要が高まるなか、日本では異業種の参入が進まない。今の医療機器規制の下では新規事業者の製品認可に10カ月以上かかり、リスクも読みにくいためだ。10日はトヨタ自動車など自動車業界が既存メーカーへの協力を発表したが自らの生産には踏み込まなかった。感染者の急増に見舞われた米欧は規制を緩和し、自動車メーカーなどが生産準備を進める。平時の対応を続けて命の危険が増す結果とならないよう制度の見直しが急務となる。

人工呼吸器は肺炎などで呼吸が困難な患者を補助する装置で、今回の新型コロナの感染で重症化した患者にも使われている。2月中旬時点では国内に2万8000台超があり、うち6割が使用可能な状況だ。ただ、肺炎患者が急増すれば不足する可能性がある。

政府は増産を求めているが、規模に乏しい既存の医療機器メーカーの対応能力には限界がある。一方、他の業種の企業は慎重だ。インドの現地子会社で人工呼吸器の生産を始めたスズキは日本では「予定していない」。日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ社長)は10日の記者会見で、生産向上ノウハウの提供を通じた支援の意向を示した半面、生産参入には触れなかった。

緊急度が増しているのに各社が足踏みするのは、これまで機器の徹底した安全に主眼を置いてきた厳格な規制にある。国内で医療機器を製造・販売するには医薬品医療機器法(薬機法)(総合2面きょうのことば)に基づく審査がいる。特に人工呼吸器は人の命にかかわるため、最低6カ月以上の審査期間が必要となる。新規参入の場合、製造許可、工場の設計など審査項目も多く、10カ月以上かかるという。

米欧は対応が異なる。

米国ではトランプ大統領が非常時に軍事物資を増産させることができる「国防生産法」を発動。3月22日には米食品医薬品局(FDA)が人工呼吸器の製造に関する一部規制を緩和し、素材や部品の変更を容易にした。異業種の早期参入が可能になり、ゼネラル・モーターズ(GM)は専用ラインを設け6月までに製品を出荷する計画だ。

英国の場合、政府が人工呼吸器の製造仕様を公開し、最低14日以上稼働することや、非常用電源の設置など承認の条件を明示した。その上で英国に拠点を持つホンダなどにも生産を呼びかけた。すでに英ダイソンは独自設計の人工呼吸器を完成させ承認を待っている。

欧州連合(EU)は加盟国中25カ国で人工呼吸器の共同調達プログラムを立ち上げた。域内での医療機器の争奪を防ぎ、医療機器メーカと異業種の連携も促す。

日本では「最悪の事態に備えさらに数千機を確保することが大事だ」(自民党の田村憲久政調会長代理)との声が広がる。厚生労働省は「安全のためにも厳格な手続きは必要」との立場を貫く。

感染者の伸び次第では平時は即座に有事に転じる。「あと6日分程度しかない」。感染者が急増したニューヨークでは2日、知事が人工呼吸器の不足を訴えた。日本にとっても対岸の火事ではない。

(先端医療エディター・高田倫志)

人の命より法律のほうが大事だと言う。。

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