旅行代理店の創業者が景気低迷の中、自身のライブ配信で15億円を売り上げた

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新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受けている観光業界。

海外旅行はもちろん、国内旅行でさえも旅行控えが起こり、ホテル業界、航空業界含む旅行業界は苦境に立たされている。

そんな中、中国のOTA(オンライントラベルエージェント)の「携程(以下Trip.com)」の創業者である梁建章氏が、自らが行うライブ配信にて15億円を売り上げたことが話題となっている。

Trip.comの行うライブ配信

Trip.comも新型コロナウイルスの影響で大きな損害を負っている企業の一つである。

新型コロナウイルスの流行から3月中旬までの約2か月で、Trip.comにおける旅行の取り消しは累計で数千万件にも及び、その取り消し総額は約4700億円にのぼる。

 

この状況を指をくわえてみているわけにはいかないと立ち上がったのが創業者である梁建章氏だ。

梁建章氏は自らネットインフルエンサーとして、中国の配信サービスである「快手(Kwai)」に登場。

6月13日までに行われた6回の配信で梁建章氏が売り上げた旅行商品は総額15億円に達した。

 

Trip.comがライブ配信を行うにあたって目を付けたのは「高級ホテル」である。

現在高級ホテルに分類される宿泊施設は、稼働率が3割と非常に低い状態が続いているが、梁建章氏は需要が少ない時期にこそ仕入れ価格が低くなることを契機と捉えた。

Trip.comのシステムには、観光業のカスタマーサービスや仕入れシステム、受注システムが完備されており、ライブ配信と同時に販売が可能となる。

代理店だからこそできるシステムを最大限活用したことが、ライブ配信での大きな売上につながったといえる。

 

今回の配信で15億円以上を売り上げることに成功した背景には、中国人の旅行意欲の高さも一役買っている。

4月に日本インバウンド・メディア・コンソーシアム(JIMC)が、中国のインターネットユーザーに向け実施した調査においても、約79%もの人が新型コロナウイルス収束後の旅行に積極的だという結果が出ている。

さらに、「ダメージが大きい観光産業支援のためにも積極的に旅行をする」と答えた人は全体の15.9%にのぼり、収束後の旅行意欲の高さがうかがえる結果となった。

オンラインを利用した体験プログラムが人気

空いた部屋を宿泊施設(民泊)として貸出したいひとと、宿泊施設を探す利用者をつなぐサービスであるAirbnbでは、4月9日より宿泊施設のマッチングサービスだけでなく、オンライン体験のマッチングサービスを始めている。

自宅でできる範囲内で、各ユーザーが料理教室やフィットネスといったバリエーションに富んだ体験プログラムを提供している。

人気のプログラムは大きな売上を生み出すことも多い。

中でも「ドラァグクイーンと⼀緒にサングリアと秘密」と題し、ポルトガルのPedro氏らが画面越しにデジタルキャバレーを展開し、本格的なサングリアのレシピを共有してもらえるプログラムは非常に人気が高く、1か月で約1007万円もの売上となった。

 

アジア太平洋地域では日本を含む9の国と地域でオンライン体験を実施しているが、最も予約の多いオンライン体験にランクインする10のプログラムのうち、半数を日本初のプログラムが占めている。

カテゴリーごとの人気では、1位がフードやドリンク、2位がスポーツやウェルネス、3位がアートやカルチャーと、自宅での時間を有意義に過ごせる内容が人気だ。

オンライン体験の予約は、4月9日の開始時から5月下旬の2か月の間に250%も増加しており、オンライン体験の可能性を感じさせる。

 

国内旅行は近場への旅行から少しずつ回復してきているが、インバウンドの低迷や、遠方への移動が嫌厭されている状況は続いており、旅行業界に吹く向かい風はいまだ強いままと言える。

新型コロナウイルス流行中の状況であっても、OTAを中心に旅行業界各社がオンラインでの価値提供を始めることで、旅行業界生き残りの活路を見いだせる可能性が高まる。

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