特別定額給付金に伴うマイナンバー問題|その裏に潜む日本が抱える課題

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政府は4月20日に、特別定額給付金の給付を閣議決定した。

所得や年齢にかかわらず一律10万円。基本的には世帯主が受給権者となる。

受給権者が世帯主となることで、DV被害や虐待被害を受けシェルター等に逃げている人に給付金がいきわたらないとの声が広がり、結果的に支援団体から申し出があれば世帯主でない人でも受け取れるようになった。

特別定額給付金とマイナンバーの関係

前述の通り、特別定額給付金の受給権者を閣議決定時の「世帯主」とすることには、各所から反論があった。

基本的に世帯主は「生計を同じくする集団の代表」とされているため男女の決まりはなく、女性でも世帯主になれる。

しかし国民健康保険法において世帯主が「主として世帯の生計を維持する者」と定義されていることもあり、男女で賃金格差がある現状では世帯主の9割以上が男性である。

このほかにも、所得が少ないため親の扶養に入っている個人事業主が減収分が分からず困るケースや、少年院を出て自力で働いている人が親から給付金をもらえないケースも発生している。

 

そこでマイナンバーを強化して個人に給付金を届けることが提案された。

この提案は女性議員の会が提案したもので、現時点では本人からの申請がある場合のみ給付を受けることができる。

しかしこの方法だと低所得者への迅速な給付ができないと主張。

マイナンバーを促進し個人口座をマイナンバーと紐づけることで、これまで紹介したような理由で受給ができないケースに挙げられる「社会的弱者」にも、迅速に個人給付ができる見込みであるという。

 

しかし、当のマイナンバー制度の申請にも問題がある。

現段階でマイナンバーの申請は世帯主のみが可能である旨が総務省のホームページに記載されている。

個人への支援の足掛かりとされていた肝心のマイナンバーの申請において世帯主のみが申請可能となると、銀行口座を紐づけることを制度化したとしても、世帯主が世帯主自身の口座を紐づけてしまえば各個人への給付は難しくなり、まさに本末転倒だ。

 

改善すべきはマイナンバー制度ではなく、戦前の「戸主」が家族を代表する「家制度」ではないのだろうか。

 

さらに海外の事例から見ても、重要なのはマイナンバーの強化ではないことがうかがえる。

というのも、ドイツのように国民に迅速に給付金が支払われた国は、日本のマイナンバーにあたる制度ではなく、確定申告制度にポイントがある。

ドイツでは会社に所属する人であっても確定申告は個人で行うのが原則であり、各々確定申告のための口座が紐づいているため、その口座へ迅速に振り込みができた。

口座をがない人には小切手を送付し、2つの方法を両立させ迅速な給付が実現した。

マイナンバー強化が逆効果に

マイナンバー強化を提言する一方で、マイナンバーの強化が逆効果になるという意見もある。

マイナンバーは住所を持たない人や、登録している住所以外の場所で生活している人を把握できず、本当に手を差し伸べるべき「社会的弱者」と呼ばれる人たちに給付がいきわたらない。

それだけでなく、あらゆる個人情報がマイナンバーに紐づけられることで、個人情報の漏洩のリスクが高まる。

 

今回の特別定額給付金の事例から言えることは、今後追加で特別定額給付金のような全国民が対象となる給付金を支給する際には、受給権者が個人であることを明確に示す必要があるということだ。

日本には住所を失っているひとや、外国人労働者といったより支援が必要となる人が多くおり、本来給付金はそういった社会的弱者にあたる人にこそいきわたるべきである。

 

新しい制度を推し進めるより先に従来の古い制度を改善し、そのうえで時代に見合った制度を取り入れることが求められている。

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