アメリカで職場におけるLGBT差別が違法との判決

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6月15日、米連邦最高裁は職場におけるLGBT差別は、差別を禁じる連邦法に違反すると判決を出し、性的指向や性自認が原因で解雇といった不当な扱いを違法と認定した。

そもそもLGBTとは?

LGBTは「レズビアン(Lesbian:女性同性愛者)」、「ゲイ(Gay:男性同性愛者)」、「バイセクシャル(Bisexual:両性愛者)、「トランスジェンダー(Transgender:性別越境者)」の頭文字をとった言葉であり、セクシャルマイノリティを指す。

このセクシャルマイノリティにあたる人は、一説には11人に1人いるとも言われている。

なお、LGBTはセクシャルマイノリティそのものを指す言葉であり、セクシャルマイノリティはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー以外のセクシャルマイノリティも含まれる。

 

セクシャルマイノリティには他にも「パンセクシュアル(相手の性自認や身体的性にかかわらず、性的恋愛的な感情を抱く人)」、「クエスチョニング(性的指向や性自認が定まっていない人)」、「アセクシュアル(恋愛感情を抱かない人)」などさまざまである。

アメリカにおけるLGBT

今回の裁判では6:3で違法という判決に至った。

判事のゴーサッチ氏は判決文にて「性的指向や性自認によって個人を解雇する雇用主は、セクシャルマジョリティ者では問題としない特性や行動を解雇の理由としている」ことについて指摘。

1964年にストーンウォール事件を契機に成立した「公民権法」に定められている「性別等による差別の禁止」に違反すると主張した。

 

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の調査では、アメリカの労働者のうち810万人がLGBTであると推測されている。

アメリカは国が定める連邦法と、各州で定められている州法とが存在するが、810万人の約半数が職場におけるLGBTの差別を禁止する法律のない州で働いていると言われていた。

今回の判決はそういったLGBT差別について禁止する州法のない州に住む人にとっても明るい話題となった。

 

そもそも従来アメリカでは同性愛は精神病とされており、1964年までは同性間の性行為を違法とするソドミー法が施行されていた。

しかし1964年にゲイバー「ストーンウォール・イン」にて警察の不当捜査をきっかけに大きな反乱事件が発生したことを機に、アメリカでは性的指向や性自認による差別が禁止されている。

同時にアメリカ各地で、ゲイ・パレードに代表されるLGBTに関するデモやパレードが広まり、1973年には「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」から「同性愛」の項目を削除。

精神病とされていた同性愛がそうではないと正式に認められた。

さらに2015年に同性婚が合法化されている。

日本におけるLGBT

日本ではアメリカほど活発でないものの、LGBTに関する運動が各地で行われている。

有名なものでは1994年に初めて開催された「東京レインボープライド」が挙げられる。

紆余曲折あったものの、主催団体が設立されてからは毎年開催され、現在では大企業もスポンサーにつくなど非常に大きな規模で開催されている。

また2017年3月には、いじめ防止策の基本方針にLGBT生徒を保護する項目が追加され、それに伴い2016年には教職員にLGBTの生徒への対応を記した手引きを配布された。

 

さらに2015年には、東京都渋谷区で同性カップルに対し結婚に準じる関係性を認める「パートナーシップ証明」の発行が決まった。

これを受け全国のいくつかの市区町村でも同様の制度を取り入れる動きがみられている。

 

一方で、セクシャルマイノリティのカップルにセクシャルマジョリティのカップルと同等の権利が法的に保障されていない、つまり法的な整備が進んでいないことも課題として挙げられている。

「パートナーシップ証明」においても、関係性は認められるものの法的な拘束力や保障がないのが現状だ。

具体的に相続権がないことや、レズビアンカップル、ゲイカップルへの生殖医療の適応といった問題が挙げられる。

日本では未だ同性婚を認める法律が制定されておらず、同性カップルにおける関係性は法的に守られていないうえに、同性婚を法的に認めるか否かについての議論も進んでいない。

 

日本ではまだまだLGBTに対する抵抗感も大きく、日本労働組合総連合会が実施した「LGBTに関する職場の意識調査」において、職場にセクシャルマイノリティがいることに抵抗感を覚えると答えた人は3人に1人という結果も出ている。

2017年3月にいじめに関する基本指針が変更されたものの、実際には学校現場においていじめが発生している事実もあり、日本におけるLGBT差別はいまだ大きな課題と言える。

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