キャッシュレス経済へ|脱現金で経済はどう変わるのか

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カードをかざして決済をする交通系ICカードをはじめ、iPhoneをかざして決済をする「Apple Pay」や、QRコードを読み込んで決済をする「楽天ペイ」など、現金を使わない「キャッシュレス」という方法で決済ができる手段が続々と登場している。

また2019年10月からの消費税増税に伴いスタートした「キャッシュレス・ポイント還元事業」では、キャッシュレス決済を利用するだけで、加盟店で5%の割引が受けられていた。

増税による需要低下を防くことや、キャッシュレスによる生産性の向上、消費者の利便性の向上を目的に開始された本サービスは6月30日で終了する。

キャッシュレス・ポイント還元事業は経済に影響を与えたのか

経済産業省が実施したキャッシュレス・ポイント還元事業において、6月11日時点で約115万店が加盟していた。

当初予定したよりも加盟した店舗が増えたことで、想定よりも予算が不足することを受け、2,798億円あった予算は最終的に約7750億円にまで増えている。

この取り組みを受けてキャッシュレスを開始した、もしくは支払い手段を増やしたという店舗は加盟店の中でも7割にのぼり、取り組みによりキャッシュレス化が進んだといえる。

 

加盟店舗の売上に占めるキャッシュレス決済比率に関するアンケートにおいて、取り組みの前後でキャッシュレス決済の割合が約27%から約34%と1.25倍に増加しており、キャッシュレスに対応することの重要性が店舗サイドでも把握できたことだろう。

一方で、「売り上げに効果があった」と回答した店舗は全体の約39%にとどまった。

6割の店舗は「あまり効果がない」「効果がない」と感じており、新型コロナウイルスによる影響が多かれ少なかれあるものの、安直にキャッシュレス化が売り上げに直結するとはいいがたい部分もある。

 

同調査によると、ユーザーサイドではこの取り組みをきっかけに「これまでよりも利用頻度を増やした」と答えた人が約4割を超えた。

「電通キャッシュレス・プロジェクト」による「キャッシュレス意識に関する調査」においても、約7割がキャッシュレスの利用頻度が増えたと回答しており、取り組みを機にキャッシュレスが普及したことは間違いない。

今後もキャッシュレスは広がるのか

キャッシュレス・ポイント還元事業により利用者が増えたキャッシュレス決済だが、6月で取り組みが終わる今、今後もキャッシュレス利用者が増えるのか、また取り組みを機にキャッシュレス決済を使っていた人が、取り組み終了後も引き続き利用するのか不安視する声も出ている。

実際に期間限定のポイント還元キャンペーン期間中はキャッシュレス普及に効果があったとしても、予算等の都合で期間を設けず実施し続けることは難しく、キャンペーンによるお得感以外の部分に利用の動機付けが必要だという見方もある。

さらにキャッシュレス決済が広まることは、同時に無人のサービスが広まることへつながるため、雇用が減少している問題がさらに悪化するという懸念を持つ人も少なくない。

 

他にもQRコード決済が続々とサービスを開始しているが、利用するQRコードの統一性のなさも新規ユーザーの足を遠のけている一因だ。

その問題を解消するために、総務省と経済産業省が連携して進めているのが「JPQR」と呼ばれる決済用QRコード・バーコードの統一規格である。

従来QRコード決済では、利用するサービスごとに異なるQRコードを用意しなければならず、レジ回りがや決済システムが煩雑化していた。

JPQRではこの問題を解決し、店舗は1つのQRコードを用意してどのQRコード決済サービスからも、同じQRコードで決済ができるようになる。

このサービスは6月22日から店舗に向けてWEBサイトでの申し込みがスタートしている。

コロナ対策にキャッシュレスという新しい見方も

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐという観点からも、キャッシュレスは注目を浴びている。

店頭で現金のやり取りが減ることで、接触機会が減少するだけでなく、ECサイトの利用は外出機会の減少やそれによる人との接触機会の減少を可能にする。

クレジットカードは言わずもがなキャッシュレス決済の一つであるが、店頭以外のECサイトでも「Apple Pay」や「Google Pay」等の各種キャッシュレス決済に対応してきており、ネットの世界でも支払い方法が多様化してきている。

 

緊急事態宣言の解除、県をまたぐ移動規制の解除など、あらゆる規制が徐々に解除されてきてはいるが、一方で再度感染が大きく拡大することへの懸念も広がっている。

海外においてキャッシュレス決済は、防犯や脱税等が横行している国ではそういった犯罪を防ぐ目的で推し進められているものの、日本では衛生面の充実という目的で広がっていくのではないだろうか。

より普及するには問題点も多いが、それらを解決することでキャッシュレス・ポイント還元事業終了後のこれからもキャッシュレス決済が広く普及していくであろう。

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