KDDIがジョブ型雇用を導入|初任給の一律性も廃止

Business

7月31日、KDDIが約13,000人の正社員に対し、職務内容を明確にし職務の成果で処遇する「ジョブ型雇用」の導入を発表。

通信系やIT系、金融系の企業で事業や働き方が多角化する中で、ジョブ型雇用を導入することで専門知識を持つ社員が生産的に働けるようになる可能性が高い。

さらに賃金制度についても見直すことを発表しており、新卒の初任給も一律の金額ではなく成果に応じて差をつける。

ジョブ型雇用とは

雇用のシステムには大きく「ジョブ型雇用」と「メンバーシップ型雇用」の2つがあるとされている。

メンバーシップ型雇用は日本で一般的に採用されている雇用形態で、総合職として一括採用し、転勤や異動といったジョブローテーションを繰り返し長期的に会社を支える人材に育成していく。

早期離職を防ぐために、勤続年数が長くなるほど基本給があがり、退職金も多くなるのが特徴である。

 

一方でジョブ型雇用とは欧米で多くみられるスキルが重視される雇用形態だ。

既に一定のスキルを持っている人を採用するため、入社時に一括研修などは行わず業務外で自身でスキルを向上することが求められる。

新卒で入社した会社だけでなく、転職を通してあらゆる会社で自身の専門スキルを高めていくのが一般的である。

ジョブ型雇用のメリット

ジョブ型雇用のメリットは専門性の高い人材を確保できるという点だ。

被雇用者側も、自身の専門性を高めることができ、スキルさえ持っていればより待遇のいい企業への転職も可能である。

ジョブ型雇用のデメリット

一方ジョブ型雇用のデメリットは、会社都合の異動が難しい点や、離職の確率が上がることだ。

被雇用者側にも、日々積極的にスキルを高め続けなければならず、スキルを磨けなければ雇用や転職のチャンスが激減するというデメリットもある。

KDDIのジョブ型雇用導入

KDDIはジョブ型雇用の導入を発表したものの、新たな雇用形態をすぐに一斉に適用するわけではなく、段階的に適用される。

まずは今夏入社する中途採用の社員にジョブ型雇用を適用、その後2021年4月に管理職2,400人と新入社員に適用する。

以上に該当しない社員に関しては労働組合と協議を重ね導入やその時期を検討する見込み。

 

ジョブ型雇用を導入し賃金制度を見直すことで、KDDIでは一律20万円だった新卒社員の初任給を、大学での研究分野やインターンシップの評価をもとに変更。最大で初任給が2倍以上になる可能性もあるという。

ジョブ型雇用導入の背景

今回KDDIがジョブ型雇用を導入するに至った背景には、事業協が急激に変化したことが挙げられる。

KDDIの主力は通信事業であるが、そのほかにも金融事業、IT事業、電力事業といった非通信事業も強化している。

次世代の通信規格である「5G」での通信が各社でスタートするなど、技術が確信したことにより今後異業種の連携や競争が拡大することが予想されている。

そのような背景からKDDIではより専門性の高い人材の確保に乗り出すため、新たな雇用形態の導入に踏み切った。

 

ジョブ型雇用はスキルや結果で判断するため、時間での職務管理がしにくい在宅勤務やリモートワークとも相性がいい。

7月28日にはKDDIが最大5割としていた出社率を3割以下に引き下げ、従来午前10時から午後3時を「コアタイム」として勤務が必要な時間と定めフレックス制を導入していたものの、コアタイムの廃止も検討している。

 

またジョブ型雇用の導入にあたって、これまで期初と期末に実施していた社員との面談の回数を期中にも増やすことで、期中でもフレキシブルに目標を見直し仕事の成果やその過程を評価できるように整える。

評価制度についても、上司が部下を評価するだけでなく、部下も上司を評価する360度評価を導入するという。

SNSでの反応

Twitterでは今回のKDDIの発表を受け様々な意見が挙がっている。

 

政府の方針で「働き方改革」が進められ、さらに追い打ちをかけるように新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、働き方の多様性が徐々に認められつつある。

そのような中でKDDIが新しくジョブ型雇用を導入することで、働き方だけでなく仕事とのかかわり方を根本から変えていくことになると予測される。

現在就業者に占める専門職の割合が、アメリカの37%、イギリスの38%に比べて、日本では17%と大幅に少ない。

現在に立ち製作所や富士通ではジョブ型雇用の本格導入を決めたが、KDDIのジョブ型雇用の導入を機に、在宅勤務が拡大する各社でジョブ型雇用が拡大するのではないだろうか。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました