8月5日、SNSの大手Facebookの傘下にある写真共有をメイン機能としたSNS「Instagram(インスタグラム)」で、短編動画投稿機能が新しく追加された。
新機能は「Reels(リールズ)」と命名され、TikTokに対抗した機能であるとされている。

Instagramの新機能Reels(リールズ)とは
5日にInstagramが発表したReels(リールズ)は、TikTokのように短編の動画を投稿できる機能である。
Instagramには従来短編の動画や写真を24時間公開できるストーリーと呼ばれる機能があったが、このストーリーとは別の機能となる。
Reels(リールズ)の最大の特徴は、音やARカメラエフェクトやあらゆるクリエイティブツールを利用し、動画を撮影、編集し最大15秒の短尺動画として公開可能。
エフェクトや編集機能を使い、自己表現の幅をさらに広げることが可能となる。
投稿したReels(リールズ)の動画は、「発見」のタブに新設されるReels(リールズ)動画専用のスペースに表示される。この部分には主にInstagram上で注目されている動画が表示される見込み。
Instagramでこれまで利用されていた独自のアルゴリズムを活用し、利用者の興味関心を元にパーソナライズされた情報が表示されることとなる。
さらに一部のReels動画には「注目」とラベルがつく。「注目」ラベルの動画は、公開アカウントで公開したReels動画のうち、エンターテインメント性が高いものやインスピレーションを与えてくれる動画をInstagramのキュレーターが選ぶ。
「注目」にピックアップされた際には通知が届く仕組みだ。
これまで通常のフィード投稿だけでなく短編動画を24時間まで公開できるストーリー機能、長編動画を公開できるIGTV機能などで動画による自己表現の場を提供してきた。
今回Reels(リールズ)が発表されたことでユーザーにとって新しい自己表現の場ができただけでなく、情報の受け取りてにとっても、興味関心に沿った様々なコンテンツをInstagram上で探すことが可能となった。
クリエイターにとっても、自身の動画をより多くの人に視聴してもらいたいという要望を叶えるツールとなる。
中国のTikTokを意識した機能か
今回発表されたReels(リールズ)機能は、最近アメリカで使用禁止のニュースが話題となっているTikTokに対抗するものであるとされている。
TikTokもReels(リールズ)と同じく短編の動画投稿アプリであることに加え、自身で独自の編集やBGMの追加を行いクリエイティブな動画を投稿するプラットホームであるからだ。
実際にInstagramを傘下に持つFacebookでは、TikTokに対抗するために2018年から「ラッソ」と呼ばれるTikTokに似たアプリを試験導入し、2019年11月にはReelsをプラ汁やフランス、インドといった数か国で先行導入、利用者の反応を調べていた。
TikTokは中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する短編動画投稿アプリで、10代から20代の若年層から人気がある。現在TikTokのダウンロード数はFacebookやInstagramを上回っている。
7月下旬からアメリカでは、トランプ大統領が「TikTokをユーザーの個人情報がアプリを通して中国政府に抽出する」としてTikTokの利用を禁止することを発表。
現在MicrosoftがTikTokの買収を検討していることを発表しているものの、9月15日までに買収に関して何らかの成果が挙げられない場合には利用を禁止する方針を示している。
TikTokの買収に関しては、Facebookはアメリカ当局や議会からSNS市場の独占禁止法を違反しているとの調査を受けているため、FacebookはTikTokを買収することは困難な状況だ。

Reels(リールズ)機能公開に伴う世間の声
多くの芸能人や著名人が実際にReels(リールズ)で動画を投稿しているものの、SNS上では新しいInstagramの機能を使ってみたという声や、逆に新機能を歓迎しない声など賛否両論である。
インスタグラムが「リール」っていう新機能出してきた。
触ってみたけど、
これ完全にインスタ内TikTok。そして私も試しに投稿してみたんだけど、どこに投稿されたのかよくわからない…自分のリールどこで見れるんだ…? https://t.co/kZYXWfLjzQ
— はあちゅう (@ha_chu) August 6, 2020
100RT Facebook、「TikTok」競合の「Instagram Reels」を日本を含む世界で公開 https://t.co/27HF7IhF3U
— ITmedia NEWS (@itmedia_news) August 6, 2020
インスタの新機能で急にTik Tokみたいなの出るようになってキレそう。。
ツイッターは日本、インスタは他国の物を見るって割り切って使っていたから今まで日本のコンテンツ一切出てこなかったのに、
日本の変なぶりっ子ばっか出てくる。。#Reels pic.twitter.com/OsfhhzrCjR— おーもと (@bttf0709) August 6, 2020
SNSは日々新しいサービスが生まれていくが、その分消えていくサービスも多い。
今回発表されたReels(リールズ)はどのようなユーザーに支持され利用されていくのか、これからの動向に注目が集まる。
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