8月11日、NTTコミュニケーションズが、リモートワークにおいて不足しがちなコミュニケーションを活性化するオンラインワークスペースである「NeWork」を発表した。
リモートワークとコミュニケーション不足
新型コロナウイルスの感染拡大により、政府も推進しているリモートワーク。
オフィスへの通勤がなくなったことで、満員電車に乗らなくてよくなったり、往復の通勤時間をプライベートの時間に充てられるようになったりと、メリットも多い一方で、コミュニケーション不足という深刻なデメリットもある。
実際にこれまで顔を合わせて仕事をしていた時には起きなかった誤解が生まれてしまったり、テキスト上や画面上では細かい感情や雰囲気を伝えられずにうまくコミュニケーションが取れなかったり、リモートワーク中に利用するツールを使いこなせない人が出たりと、各社あらゆる問題に悩まされている。
ほかにもオンライン上でのやり取りだと、顔を合わせてとるコミュニケーションと違いタイムラグが生じてしまうことを問題視している人も多い。
企業によってはビデオツールやチャットを導入したり、オンライン上にバーチャルオフィスを構えたりといった対策を取りコミュニケーション不足問題の解決を図っているものの、完全にそれらを解決できていない会社もあり、依然として収束しない新型コロナウイルスを鑑みると一層の対策が求められている。
NTTコミュニケーションズが発表した新サービス
そこで社内コミュニケーション不足を解決する一つの方法として、NTTコミュニケーションズが新しく発表した新サービスが「NeWork」だ。
8月11日に発表されたこのサービスは、リモートワークにおけるコミュニケーションを活性化することを目的としており、サービスの提供は8月31日を予定。現在サービスの事前登録を受け付けている。
「NeWork」は従来使われていたウェブ会議システムでは難しかった、立ち話感覚のちょっとした相談や雑談(casual collision)を活性化するようにデザインされたコミュニケーションツールだ。
「NeWork」にログインしておくだけで同じオフィスにいる時にように、チームやプロジェクトのメンバーに話しかけることができるようになる。
「NeWork」利用方法
利用方法は非常にシンプルだ。
利用者は各自パソコンのウェブブラウザー上から「NeWork」にログイン。その後自分の居場所にあたる「ワークスペース」に入ることで参加できる。
ワークスペース上にはプロジェクトや話題ごとに「バブル」と呼ばれる小さなコミュニティーを形成することができ、バブルが仮想的な会議室のような役割を果たす。バブル内で発言すれば、バブルに参加するメンバーと会話することができる。
仮に話しかけたいメンバーがバブルに参加しておらずとも、現在話せる状況かどうかをアイコンで判断できるため、気軽に話しかけられる。
なお会話ではビデオ通話はもちろん、画面の共有も可能なのでバブル機能を用いて会議に利用することもでき、幅広い活用が期待できる。
利用者はモードをオープン、ワーク、ゾーンの3段階で切り替えることができ、ゾーンモードにすると会話できないモードになるため、仕事に集中したいときにも安心して利用可能。
このモードはスピーカーやマイクのオンオフと連動しており、自動で切り替えられるため、モードの変更し忘れからミスコミュニケーションが起こることを防いでいる。
「NeWork」にくわえ、NTTコミュニケーションズが提供しているAI会議議事録作成支援サービスである「COTOHA Meeting Assist」を併用すると、「NeWork」内での会話を自動でテキスト化することや翻訳することもできる。
社内で利用するツールとあってセキュリティにも重きを置いている。
サービスはNTTコミュニケーションズのほかにNTTセキュアプラットフォーム研究所、NTTセキュリティ、WhiteHat SecurityといったNTTグループ内のセキュリティ技術を用い、高いセキュリティーを持ち合わせたサービスとして提供。
さらに利用も無料だ。
企業の中には新型コロナウイルスが収束してからもリモートワークを継続することを発表している企業もあり、これからも多くの企業でリモートワーク向けのサービスの需要が高まってくると考えられる。
リモートワークにもデメリットがあるが、これから発表されるサービスにはそういったデメリットを解消するツールや方法が含まれていることが期待される。
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