ファミリーマートが上場廃止

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8月25日、伊藤忠商事は子会社であるファミリーマートに対し実施していた株式の公開買い付け(TOB)が成立したことを発表した。

応募株数は7,900万株を超え、買い付けを予定していた株数の下限である5,011万4,060株を大きく上回った。

今後伊藤忠商事は、完全子会社化を目指し手続きを進めるとともに、ファミリーマートの上場は廃止されるという。

そもそもTOBとは

TOBは「Takeover Bid」の略で、不特定多数の株主に対して買い付け価格や買い付け期間を示し、保有している株を売却してくれるように誘導して買い付けることを指す。

主に企業買収といった対象企業の経営権取得に活用されている。

 

今回伊藤忠商事がファミリーマートの株式のTOBを実施した背景には新型コロナウイルスの影響がある。

実際に伊藤忠商事はTOBに関する声明の中で「新型コロナウイルスの一定の収束後も「新常態」が継続するという考え方が一般化する中、ファミリーマートの急激な業績回復を見込みことが困難である」と説明している。

TOBは意思決定を迅速化することを目的に、伊藤忠商事とファミリーマートが一体となる重要性を鑑みての決定だ。

 

そもそも流通業界や外食業界といった業界では、人口の減少から国内市場における先細りが懸念されてきた。

大戸屋ホールディングスにTOBを実施した外食大手のコロワイドがTOB直前に出した声明でも、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う消費の落ち込みに触れながら、これから急速に変化していく外食産業市場で勝ち抜いていくために収益力を高めると言及している。

 

新型コロナウイルスの影響で消費が大きく落ち込む中、伊藤忠商事やコロワイド以外にも、企業買収によって経営基盤の強化に活路を見出そうとTOBに踏み切る企業が増えてきている。

伊藤忠商事のファミリーマートに対するTOB

伊藤忠商事はTOB以前からすでにファミリーマートの株式を50.1%以上保有しており、TOBによって出資比率を65.71%に引き上げ、成立の下限としていた60%を上回った。

残りの株式については、ファミリーマートの臨時株主総会を経て株式併合によって取得する予定だという。なお実施時期については未定で、決定次第公表するとしている。

 

今回のTOBの狙いは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け売上が減少しているコンビニ業界において、伊藤忠商事がファミリーマートの上場を廃止し、グループで一体となって迅速な意思決定を行うことで、物流の効率化やデジタルと店舗の融合を進めることで競争力を強化することだ。

 

なおTOBの価格は1株あたり2,300円であった。

7月9日に開始したTOB期間中には懐疑の投資ファンドがファミリーマートに対して特別配当を求めたことや、伊藤忠商事に対して買い付け価格の引き上げを要求したことから、株価が一時的にTOBの価格を上回る2,473円にまで上昇するという場面もあった。

一方の伊藤忠商事はTOB価格が適正だとし、価格の引き上げを拒否。買い付け期限で会った8月24日のファミリーマートの株価の終わり値は2,257円とTOB価格を下回る結果となった。

SNSの反応

SNS上では今回の伊藤忠商事が実施したファミリーマートへのTOBに関してさまざまな反応が見られた。

 

非常浄化の先に見る期待

経済産業省で「新たなコンビニのあり方検討会」のメンバーを務める流通経済研究所の根本重之理事は、ファミリーマートは都市部に多くの店舗を抱えていることに触れ、収益面においてコロナ禍で都市部に店舗を持っていると業績の回復は難しいと言及した。

さらに非上場化により加盟店の利益配分を増やすといった、上場を維持しながらでは実行が難しいような施策ができるようになると話し、今回のTOBについて前向きな意見を示した。

 

飲食業界や旅行業界をはじめ、流通業界など多くの業界で新型コロナウイルスの影響を受けているものの、TOBなどの経営戦略によって、業績の悪化の改善や、状況の好転が期待されている。

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