第三のビールの酒税引き上げへ|日本初の糖質ゼロビールも登場

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10月に改正が決まっている酒税の引き上げで、現在ビールで77円、発泡酒で46.99円、第三のビールで28円(すべて350ml缶1本当たりの酒税)となっていたものが、10月よりビール、発泡酒、第三のビールにおける税額を段階的に縮め、2026年10月にはすべての酒税を54.25円に統一することが発表された。

10月の酒税改正

先に説明したように、2020年10月に酒税法が改正されビール、発泡酒、第三のビールにそれぞれ課されていた酒税が引き上げられることとなる。

現在の酒税と、2026年の引き上げ後の差額は下記の通りだ。

  • ビール…現在:77円/引き上げ後差額:-22.75円
  • 発泡酒…現在:46.99円/引き上げ後差額:-7.26円
  • 第三のビール…現在:28円/引き上げ後差額:+26.25円

 

2026年までに段階的に上記の金額に変更される。なお10月には350ml缶1本あたりビールの税額は7円下がり、第三のビールの税額は9.8円上がることが決まっている。

現在ビールと第三のビールの店頭価格には、350ml缶において約75円から80円ほどの差があるものの、10月にはこの差が約60円にまで縮まることととなる。

2026年10月に酒税が54.25円に統一された後には、この差額が25円から30円まで縮まるとみられており、ビールの税額が下がることにあわせ、減少しているビール需要を再び掘り起こしたいと考えているメーカーは多い。

メーカー大手の策略

ビールや第三のビールを発売しているキリンビールでは、10月6日に主力商品である「一番搾り」から「一番搾り 糖質ゼロ」を発売することを発表した。

ビールカテゴリーで糖質ゼロを実現したのは国内で初めてで、アルコール度数は4%。350ml缶、500ml缶の2サイズで商品を展開する。

キリンビールでは、2020年の販売目標を約120万ケースとしており、「一番搾り」ブランドとして新商品を含めて合計で1,670万ケースを見込む。この数字は前年と比較すると約1割増となり、10月から12月の数字としては約4割増を想定している。

 

キリンビールの布施孝之社長は新しい商品の発売について、「先行商談では反応が良く“こういうのを待っていた”とのお声も頂き、初動は計画を上回る手応えだ。コロナ状況下だが、こんなときこそ、自宅でキリンブランドを楽しんで頂きたい。改めて社会的使命を再認識している。その中心が一番搾りであり、今回の糖質ゼロだ。来年以降も投資を継続して、ブランドの第2の柱にしていく。来年はブランド販売量の3分の1を獲得したい」と話した。

さらにここ3年間をふりかえって、「キリンビールが描く未来は【おいしさ】で【よろこび】を広げ、ビール類市場を魅力的なものにすることで、その中軸ブランドがフラッグシップである「一番搾り」である。」と語った。

さらに2017年から確変し「絞りの効いたマーケティング」を実践してきたことについて触れ、「分散投資してきたブランドの絞り込み」、「お客様基軸での判断」、「ブランド育成の強化」の3つを柱にマーケティングを進めてきたという。

結果として「一番搾り」は2017年から3年連続で前年を超え、1月から7月のコロナ禍においてもビール缶市場の市場予想を上回っている。

 

酒税の改正や新型コロナウイルスの影響など、今後予想される環境変化について、「コロナが起こす変化に、酒税改正が起こす変化が加わる。特に注目される点が前者が健康志向、後者がビールの再成長ということだ。これらを逆にチャンスとして捉えていく」と述べた。

キリンビールが発表する糖質をカットした一番搾り

今回発表された「一番搾り 糖質ゼロ」のターゲットは、ビールユーザー全般であるという。

キリンビールでは「潜在的に糖質カットのニーズは高い」とみており、「味には自信があるので、いかに手にとって体験してもらうかが勝負」として、テレビCMをはじめデジタルからアナログ(店頭)までのコミュニケーションを徹底する。

小売店では新ジャンルの販売が増加しているものの、そんな中懸念されている単価アップへの課題解決にもつなげたいとしている。

以前糖質オフの「ラガーブルーラベル」を販売していたものの、新型コロナウイルス流行下における糖質オフ、ゼロのニーズは新しい段階にあるという認識を示した。

 

酒税の改正に伴い、ビール業界はこれまでとは違った戦略が求められている。

ビール業界においては「若者のビール離れ」なども問題となっているが、今回の段階的な酒税の改正でビール、発泡酒、第三のビールの関係性にも変化が起きそうだ。

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