インド PUBGなど中国関与118アプリを使用禁止

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インドでは2日、中国のネットサービス大手である騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の人気バトルロワイアルゲームである「プレーヤーアンノウンズ・バトルグラウンズ(PUBG)」など118のモバイルアプリの使用を禁止することを発表した。

インドにおいては中国との国境で衝突が起こっており、このことを背景として中国のテクノロジー企業への圧力を高めているものとみられる。

インドと中国の衝突

インドメディアによると、200人強の中国軍が29日から30日にかけて、係争地域となっているインド北部のラダック地方に侵入を試みた。

これに対抗してインド軍も兵士を配備したものの、実際に軍事衝突はなかった。両国における小競り合いが表面化したのは6月15日の死者発生から初めだ。

31日にはインド中国ともに相手側が実効支配線を侵したと非難し合っており、インドのジャイシャンカル外相は、「国際紛争が起きた1962年以来、最も深刻な状況である」との危機感を示している。

 

インドのシンクタンクであるオブザーバー・リサーチ・ファンデーションのラジェシュワリ・ピレィ氏は、今回発生したにらみ合いは冬になっても続くかもしれないとの見方を示している。

ラダック地方は標高4,000メートルを超える場所もあり、10月に入ると気温は氷点下にまで下がる。冬までにらみ合いが続くと、両軍とも厳しい環境下での対立は避けられない。

 

両国の係争に関しては6月22日に両軍が係争地域から引き上げることで合意し、7月には閣僚級の会議でも両軍が速やかに撤退する方針を確認していた。

しかしインドのメディアによると、両軍は未だ係争地域にそれぞれ約4万人もの兵士を配備しており、にらみ合いは山中の渓谷、湖、温泉など複数の場所に分かれているという。

中国軍には幅広い地域で新たに軍備を増やす動きが見られていることも発表されている。

 

インドのメディアでは8月下旬にインド軍幹部のコメントとして、「軍や外交レベルでの対話が失敗に終わった場合は中国の違反行為に対し攻撃も選択肢になる」との報道をしている。

またインドの国防相シン氏は8月22日に軍幹部らと今後の対応策を協議していた。

モディ首相も中国を念頭に「拡張主義と戦う」と強調し、状況によっては再び激しい衝突が起こる可能性も考えられる。

 

インドのジャワハルラール・ネルー大学のコンダパリ教授は、「国境での緊張は継続する可能性が高いため、今後の焦点は(対中国の)経済政策に移る」と指摘しており、同時に「インドは軍事衝突で死者を出したことで中国に対する政策を明確に見直している」と言及した。

モディ氏と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は2018年に会談し、領土問題を棚上げすることで基本合意したものの、軍事衝突で首脳間の約束が破られたことで、インドは市場から中国製品の排除を強めている。

これからの協議の展開次第では、経済関係に一段と亀裂が入る可能性が高い。

中国アプリの使用禁止

今回のアプリ使用禁止の発表もこの中国製品排除の影響を受けたものだとされている。

禁止された118のアプリはその大半が中国企業のもので、中国のインターネット検索最大手、百度(バイドゥ)のアプリやスマートフォンメーカー小米集団(シャオミ)のシェアセーブなども禁止対象に含まれている。

中国製アプリの使用禁止について、インド電子・情報技術省は「アプリはデータを不正に収集・共有しており、個人データやユーザー情報が漏洩している。インドの国家安全保障に大きな脅威となり得る」と声明を出し、インドの主権と一体性に損害を与えるとした。

これに対しPUBGを運営する騰訊控股はコメントを控え、ニューデリーにある中国大使館からもすぐにコメントは得られなかった。

 

インド政府高官は前日に、ヒマラヤ山脈地帯の係争地域を中国が侵略しているとの理由から4か所に軍を送り込んでいることを発表。

6月の衝突以来、インドでは国内のインターネット市場を独占する中国企業を標的にしているとみられている。

まずは北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画投稿アプリである「TicTok(ティックトック)」などの59アプリを禁止していた。

続いて小米集団や百度などのモバイルアプリ47個を禁止している。

 

アメリカでのTikTok使用禁止報道に引き続き、インドでも中国企業が運営するアプリの使用禁止が発表された。

両国において禁止された理由はそれぞれ違うものの、世界的に中国企業を排除する動きが高まってきていると言える。

インドと中国の国境における係争の展開だけでなく、経済的な両国の対策についても注目が集まっている。

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