米国副社長が語るTikTokのアルゴリズム

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10代から20代の若者に爆発的な人気を誇る中国のショートムービー投稿アプリであるTikTok。その人気は数字にも表れており、世界のユーザー数は数億人だとも言われてる。

そんなTikTokがユーザーを引きつけるうえで必要不可欠な「ユーザーにオススメする動画を選ぶアルゴリズム」について、TikTokの幹部が語った内容が話題を呼んでいる。

TikTokがアルゴリズムについて語った背景

2020年8月に、アメリカ大統領であるドナルド・トランプ氏がTikTokに対し「2020年9月15日までに事業をアメリカ企業に売却しなければ国内での使用を禁止する」と通告したことを受け、現在Microsoftなどの企業がTikTokの買収交渉を進めている。

売却額に関して3兆円に達するという指摘もあり、TikTokが多くのユーザーを引きつける魅力的な動画投稿プラットフォームであることがうかがえる。

 

買収交渉が行われている中、9月9日にTikTok幹部らは記者団との電話会見に応じた。

TikTokのMichael Beckermanアメリカ担当公共政策副社長は電話会見の中で、「私たちはプラットフォームにおけるコンテンツの監視やアルゴリズムについて、多くの懐疑論がある時代の中で成長しました」と述べ、透明性確保の一環としてTikTokが現在用いているアルゴリズムについて言及した。

TikTokが用いているアルゴリズム

TikTokのみならず、ほかの多くのSNSで機械学習アルゴリズムを用いてユーザーの好みを分析、ユーザーが好むと判断した投稿や動画、写真などをタイムラインに表示している。

TikTokはほかのSNSと比較して、このアルゴリズムを活用してタイムラインにユーザーが好む投稿を表示する精度が高いことから、多くのユーザーを引きつけているとされている。

 

TikTokでは初めてTikTokを利用する際に、さまざまなトレンド、音楽、トピックを取り上げた動画のうち人気のある8つの動画を表示。

ユーザーがこの中から好きな動画を選んで視聴した際に、ユーザーがどの動画を最後まで見たのか、コメントやいいね、フォロー、共有といった行動をとったのか、などの判断基準に基づき、アルゴリズムが新しくおすすめの動画をユーザーに提供し続ける。

TikTokでは、この一連の流れを繰り返すことでアルゴリズムの精度が高まっていき、よりユーザーの好みに合った動画がタイムラインに表示されるようになると話した。

 

なおアルゴリズムが動画を分析する際に使用する情報は、キャプションやハッシュタグ、音楽といった要素のみであり、これらの要素に基づいて「ユーザーを引きつけた動画と類似した動画」を識別するという。

さらにユーザーの言語設定、所在国、デバイスの種類などのアカウント設定の情報もアルゴリズムは考慮していると話した。

 

TikTokでは十分な情報を収集すると、アルゴリズムはユーザーの特徴をマッピングし、類似するユーザーと共通する特徴を持つ「クラスター」に分類、グループ化をしていく。

それと同時にユーザーが投稿した動画についても、動画のテーマに基づいてグループ分けされているという。

アルゴリズムは「そのユーザーと類似する他のユーザーが好むテーマの動画」に基づき、ユーザーに動画をおすすめしていくことを指す。

つまりTikTokでは「特定の動画投稿者」をフォローするようにはたらきかけるというよりは、特定のテーマについての動画をおすすめしているということになる。

これにより特定の人気投稿者だけが注目をあびることなく、多くの投稿者の動画においてもおすすめにピックアップされるチャンスがあるといえる。

 

またTikTokのアルゴリズムにおいて興味深いとされている点が、「同じ音楽や同じ投稿者の動画を連続してオススメするなど、ユーザーを退屈させる可能性がある冗長性を回避する」ことだ。

ほとんどのSNSではユーザーの好みに合致するものを次々におすすめするスタイルを採用しているのに対し、TikTokではユーザーの好みを考慮すると同時に、ある程度の新鮮さを得られる仕組みを駆逐しているという。

万脳に見えるTikTokのアルゴリズムも実は万能ではない

TikTokのアルゴリズムでは、ユーザーの好みを把握するため、ユーザーをアプリ上にくぎ付けにすることに非常に効果的だといえる。

一方でアルゴリズムがフィルターバブルを形成することによって、ユーザーが多様なコンテンツを観て視野を広げたり、反対の視点を獲得することを妨げているという指摘もある。

 

このことに関してTikTok側も、アルゴリズムがユーザーの好みを強化することでフィルターバブルを形成していることを認めており、必要に応じてフィルターバブルを適応させない方法についても模索しているという。

またフィルターバブルが陰謀論やデマやそのほかの誤った情報の拡散を助長する可能性があるとして、TikTokの製品およびポリシーチームは誤情報を紐づけられるアカウントについての調査を進めている。

有害になりうるアカウントや動画については、グローバルコンテンツレビュアーに送信され、ユーザーへのおすすめとして表示される前にTikTok側が管理できるようにしている。

 

Beckerman氏はTikTokの透明性に関する取り組みについて、同社をシリコンバレーのリーダーに位置付けることを目的としていると言及。

「私たちはリーダーシップを持って、どのようにTikTokアプリが機能するのかをもっと見せたいと思っています」と述べ、今後製品についてアメリカの議員とも話し合っていきたいとの見通しを示した。

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