止まらない飲食店の倒産数|過去最高の可能性も

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2020年1月から8月の「飲食業」における倒産数が、累計で583件に達した。この数字は前年同期と比較して12.3%増加している。

これまでの通年(1月~12月)の最多は、2011年の800件だったものの、このペースだと年間最多を更新するペースだという。

これまで倒産件数の多かった居酒屋のみならず、うどん店やそば店、寿司店といった専門料理など、価格帯においても幅広い価格帯の業種で倒産が増加傾向にある。

背景には新型コロナウイルスの感染拡大に伴い客足が減少したことが考えられている。

飲食店の倒産数増加

そもそも飲食店においては、2019年後半から2020年2月までも、人手不足に伴う人件費の増加から倒産が増加傾向にあった。

2月になると新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けインバウンドの需要が激減、さらに外出の自粛要請や、緊急事態宣言に伴う営業時間短縮や休業の要請があり飲食店における経営状況はより悪化した。

倒産件数も3月は75件(前年同月59件)、4月は80件(前年同月62件)と急増。5月は裁判所の業務縮小の影響を受け一時的に21件(前年同月76件)と減少したものの、6月以降は月間100件に迫る勢いで倒産件数が増加している。

 

負債総額においては368億円(前年同期比5.4%増)と2年連続で前年同期を上回る結果となった。

なおその内訳については、負債1億円未満が524件(構成比89.8%)、資本金1千万円未満が521件(同89.3%)と、小規模企業や零細企業が9割を占めており、資金力の乏しい企業が倒産に追い込まれていることがわかる。

倒産件数にまつわるあらゆる数字

発表された倒産件数について、あらゆる数字を見てみるとその実情をうかがうことができる。

業種別

業種別では「専門料理店」が過去最多の152件(前年同期比14.2%増)倒産している。「専門料理店」とは、日本料理店、中華料理店、ラーメン店、焼き肉店といった、特定のジャンルの料理に絞って料理を提供している飲食店を指す。

次いで倒産件数が多いのは、「食堂,レストラン」138件(同5.4%減)。さらに「酒場,ビヤホール」114件(同37.3%増)と続いている。

 

新型コロナウイルスの感染拡大前は、各自治体や金融機関による後押しがあったために、資金背景が脆弱な企業も少なくなかったものの、新型コロナウイルスの感染拡大によってインバウンドの需要が激減。

追い打ちをかけるように外出の自粛や営業時間短縮要請などが発表され、苦境に立たされることとなった。

負債額別

負債額別では1億円未満が524件(前年同期比13.9%増、前年同期460件)という結果になった。倒産に占める構成比は89.8%(前年同期89.3%)と約9割で、前年同期と比較して0.5ポイント上昇した。

その内訳は1千万円以上5千万円未満が456件(前年同期比9.8%増)、5千万円以上1億円未満が68件(同51.1%増)だ。

ほかにも1億円以上5億円未満が48件(同4.3%増)、10億円以上が5件(同66.6%増)と前年同期を上回る負債額を抱えており、5億円以上10億円未満は前年同期と同件数の6件だった。

小・零細企業を中心に倒産件数が増えているものの、徐々に中堅規模の企業にも倒産がひろがりつつある。

地域別

地区別にみると、9つの地区のうち5つの地区で前年同期を上回った。

倒産増加率の最高は中部の54.0%増(61→94件)だ。静岡が18件(前年同期2件)と大きく倒産件数が増加したほか、三重を除く、4県で倒産件数が増えた。

続いて近畿は23.2%増(155→191件)となり、2府4県すべてで件数が前年同期を上回る結果となった。

ほかにも北海道23.0%増(13→16件)、中国18.5%増(27→32件)、関東3.6%増(163→169件)と倒産件数が増加している。

 

一方で東北、北陸、九州、四国においては、東北の25.0%減(16→12件)を最高に、北陸22.2%減(18→14件)、九州11.7%減(51→45件)、四国9.0%減(11→10件)の順で倒産件数が減少している。

今後飲食店の状況は回復するのか

こういった状況に対し、政府や各自治体が実施した支援策が功を奏し、企業の資金繰りは一時的に緩和している。さらに9月には「Go To Eatキャンペーン」が始まることから、事態の緩和が期待されている。

東京都における営業時間短縮要請に関しても、9月15日で終了する予定だ。

 

新しい生活様式に向け、経済活動は徐々に動き始めているものの、新型コロナウイルスの感染拡大前の売上に戻るには時間がかかるとみられている。

また飲食店においては新しい生活様式に合わせた転換が求められており、小・零細企業が多い飲食店では業態の変化が難しいことも相まって、倒産だけでなく廃業の選択をする企業も少なくない。

 

新型コロナウイルスはその収束の目処が未だに立っていないことから、引き続き苦境に立たされる企業が増加することが予想されている。

新型コロナウイルスの収束と同時に、倒産に歯止めをかけるような支援策が求められている。

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