ワーケーションは観光産業復興の足掛かりとなるか

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ワーケーションとは「ワーク(Work)」と「バケーション(Vacation)」を組みあわせた造語で、2000年頃にアメリカでうまれた。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、リモートワークが急増したことや、外出自粛によって観光産業が打撃を受けていることから、ここ数か月で再度注目されるようになってきています。

プリンスホテルがワーケーションを提案

プリンスホテルでは、軽井沢などの5つのホテルでワーケーションプランを用意。快適な環境で社員の仕事効率の向上や、チームの結束の強化を目指す企業へワーケーションを提案する。

個人向けのワーケーションプランの提供をスタートさせており、2月~7月では軽井沢だけでのべ約900人がプランを利用。

利用者は首都圏に住む30代~40代の会社員によるグループ利用が最も多く、顧客情報やアンケート結果から法人利用とみられるものも多かった。

 

さらなるワーケーション需要の拡大を見越して、9月1日には法人向けの営業チームや商品開発チームを設置。

IT企業などの柔軟な働き方に積極的な350社に対し売り込みをはじめ、すでに予約も入り始めているという。中には福利厚生の一環として検討する企業もある。

プランは、軽井沢、箱根、広島、琵琶湖、雫石の5つのホテルで用意され、プロジェクトを進行しているチームが数日~数週間滞在したり、年間契約のサテライトオフィスとして社員が交代で宿泊するといった使い方を想定している。

 

価格は5つのホテルとも格安で設定。7~27日の滞在であれば1室あたり1日15,000円で、軽井沢の場合は通常料金より4割ほど安いという。

加えて会議室の利用が半額になるほか、ホテル内での食事が割引になる特典もついている。

自由時間はチームの親睦会向けに、各ホテルの特性を生かしたレジャーの提案も行う。軽井沢であれば滞在中は毎日ゴルフ9ホールとボウリング2ゲームを無料にしている。

 

社員のワーケーション制度を導入している企業は日本航空などがあるものの、未だその数は少ない。

クロス・マーケティングが8月下旬に実施した調査では、所属する会社や組織について「ワーケーションを導入している」「今後導入予定」と答えた人は全体の1割程度にとどまった。

組織として「生産性が落ちる」ことを懸念している企業が多く、多くの企業が導入に踏み切るまでは制度など整備することがまだ多くなりそうだ。

生産性を管理するアプリを開発

こういった懸念点を解消するべく、プリンスホテルでは来春をめどに滞在中の生産性向上をサポートする事業を開始する。

2015年から自社でワーケーション制度を導入しているアメリカのセールスフォース・ドットコムの日本法人と専用アプリの開発を予定しているという。

アプリでは、ホテルの食事メニューやアクティビティーなどを案内するほか、体脂肪率や睡眠の質を判定し健康管理を行う。さらに実働時間や成果をチームで共有するなどして、効率的に働けているのかを可視化するシステムについても開発を検討している。

 

軽井沢プリンスホテルは8月の稼働率が56%で、前年同月と比較して35%も減少している。

このマイナスを補填するために、法人向けワーケーション事業を年間8億~10億円規模にまで拡大し、収益を下支えする予定だ。

旅行会社なども商機を狙っている。

JTBではワーケーションの導入を検討する企業と地方のホテルを仲介する事業を始めることを表明しており、人材会社大手のパソナグループでは、全国の33地域でのワーケーション企画に乗り出している。

 

プリンスホテル以外にも、星野リゾートやマリオットホテル、ハウステンボスなどでもワーケーションプランを打ち出しており、観光業界においてワーケーションが業界復興の兆しになることが期待されている。

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