ホテルに対する悪評レビュー、名誉棄損で逮捕者

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タイ在住のアメリカ人が、タイのリゾート島であるチャーン島のリゾートホテルのレビューで事実は関係のない悪評を書き込んだとして警察によって逮捕、投獄されていた。

現在は保釈金を払い保釈されているものの、刑事告訴により裁判で有罪の判決を受けた場合には、最高で2年の懲役または20万バーツ(約66万円)の罰金が科されることとなる。

タイのリゾート島のホテルに事実無根の悪評が

今回の事件で逮捕されたのはタイに住み教師として働いているアメリカ人のウェスリー・バーン氏で、問題となったレビューを付けられたのは、タイのリゾート島であるチャーン島にある「Sea View Resort」だった。

この問題が報道より先にタイ国内で知られるようになったきっかけは、タイを拠点にブロガーとして活躍するイギリス人のリチャード・バロウ氏がTwitterにこの件を投稿したことだ。

リチャード・バロウ氏のTwitterは16.7万人ものフォロワーがおり、彼は「タイの名誉毀損法は、特にオンラインのレビューに対して非常に厳格です。数週間前、私の友人の友人が、タイのチャーン島のリゾート地にあるホテルについて、Googleマップで1つ星のレビューを投稿した結果、彼は職場である学校で逮捕されました」とツイートし、ホテルへのレビュー投稿が原因で知人が逮捕されたことを発信。

ホテルとバーンズ氏のトラブル

「Sea View Resort」は、今回の件について声明文を出している。

声明文ではバーンズ氏が宿泊したのは6月26日。友人とともに「Sea View Resort」に宿泊した際、ホテルのレストランにアルコール飲料を持ち込んでいた。

ホテル側はバーンズ氏らに対し、外部から飲料の持ち込みが禁止されていることや、持ち込む際には500バーツの持ち込み料がかかることを説明したものの、バーンズ氏らはこの忠告を聞かず、持ち込み料を支払わないまま持ち込んだアルコール飲料をレストラン内で飲み始めた。

このことが原因でホテル側とバーンズ氏らが口論に発展。その中でバーンズ氏がレストランの従業員に対し罵倒の言葉を浴びせたという。

 

その後バーンズ氏は、口コミサイトであるトリップアドバイザーやGoogleマップに2件ずつレビューを投稿。そのすべてが悪評だった。

ホテルはこの評価を確認し、バーンズ氏に連絡を試みたもののバーンズ氏はこれを無視し取り合わなかった。

 

4件のレビューの中でもホテル側が最も問題視しているのは、2020年6月30日に投稿された次のレビューだ。

「ここに泊まることで、現代の奴隷制を助けてはなりません。スタッフは経営者のせいで愛想が悪く、また外国人スタッフは同僚を奴隷のように扱っています。特にひどいのはチェコ出身のマネージャーで、彼は従業員を奴隷扱いしているだけでなく、自分がホテルの宿泊客より優れているかのように振る舞っています」

なお、このレビューに関しては、トリップアドバイザーに規約違反とみなされ1週間後に削除されている。

 

Googleマップのレビュー投稿にも、同様にチェコ人のマネージャーに対して避難しており、さらに「コロナウイルスと同様に、この場所を避けるべきです!」とも書かれている。

ホテル側の対応

ホテル側は男性が投稿した一連のレビューについて、「バーンズ氏はトリップアドバイザーやGoogleに、当ホテルと外国人嫌悪や奴隷制、さらには新型コロナウイルス感染症との関連性について誤解を与えるようなコメントを含む捏造レビューを投稿しました」と非難した。

またレビューが長期間にわたって連続で投稿されており、さらに今後も不当なレビュー投稿が続くことや、ホテル側からの連絡をバーンズ氏が無視していることについて警察に通報。

 

結果としてバーンズ氏は9月12日に移民局によって逮捕されることとなった。彼は刑務所で2日間を過ごしたのち、釈放金の10万バーツ(約33万円)を支払い釈放されている。

現在バーンズ氏は刑事告訴されており、有罪判決を受けた場合には最高で2年の懲役、もしくは20万バーツ(約66万円)の罰金が科されるという。

バーンズ氏と連絡を取ったジャーナリストのアンドリュー・マクレガー・マーシャル氏は、バーンズ氏は法廷で争う意思をみせていると語っている。

 

なおバーンズ氏逮捕までの経緯については、ホテル側の発表をもとに報道されたものであり、事実関係についてホテル側の主張とバーンズ氏側のちゅちょうが食い違っているという事実もある。

実際にバーンズ氏がバロウ氏を通して発表した声明では、「レストランでの出来事により、私と友人はショックを受け、給仕に少し文句を言いましたが、友人は喜んでお金を払ってくれました」と反論していた。これはホテル側の主張とは異なっており、裁判の行方が注目されている。

タイの名誉棄損の問題

Bangkok Postでは、タイの名誉棄損に関する法律であるタイ刑法第326条に関して、企業や影響力のある人物が自由を奪うために乱用していると、長年問題視されていることを伝えている。

実際にタイの大手鶏肉加工企業である「Thammakaset」は、移民労働者やジャーナリスト、人権擁護家、メディア企業ら22の個人や団体、企業に対し過去4年間で39件もの刑事訴訟や民事訴訟を起こしている。

「Thammakaset」は移民労働者の身分証を没収し、さらに1日20時間最低賃金以下で働かせていた。

この件に対し「Thammakaset」は2016年8月にタイ労働福祉・保護局から合わせて約170万バーツ(約565万円)の支払いを命じられたことで、一連の訴訟はこの問題を表面化させたことへの報復だとされている。

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