エアアジアジャパンが事業の撤退を発表

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10月5日、中部国際空港(愛知県常滑市)を拠点としていた格安航空会社(LCC)である「エアアジア・ジャパン」は、事業の継続を断念することを正式に発表した。5日には国土交通省に12月5日付で全4路線の廃止を届け出ている。

事業の断念の背景には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きく、利用者が大きく減少したことが原因だ。

新型コロナウイルスの影響で苦境を強いられている国内の航空会社だが、事業の撤退を決めたのはエアアジア・ジャパンが初めてだという。

エアアジア・ジャパンが事業の継続を断念

エアアジア・ジャパンは、2014年にマレーシアを拠点とするアジア最大の格安航空会社(LCC)であるエアアジアが中心となり、国内企業とともに出資し設立された航空会社である。

 

エアアジア・ジャパンでは、事業の継続を断念する前の10月1日より、中部~新千歳、福岡、仙台、北京を運行する4つの路線を運休していた。エアアジア・ジャパンが運航する路線を予約している予約者には電子メールで連絡する予定だ。

またエアアジア・ジャパンに所属する社員は、事業廃止に必要な人員を除いた全員を11月4日付で解雇するという。

会田純最高執行責任者(COO)は5日の夕方に行われた読売新聞の取材に対し、「存続に向けてあらゆる方策を検討してきたが、苦渋の決断に至った」と話した。

エアアジアグループのコロナ禍における業績

今回事業の継続断念を発表したエアアジア・ジャパンを含むエアアジア・グループは、コロナ禍において大きな打撃を受けていた。

2020年4~6月期(第2四半期)の輸送実績は、グループ全体で総旅客数が前年同期と比較して98%減少、20万4,082人であった。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、グループ全体で減便や運休の措置を取っていたが、早い時期に運航を再開したタイやインド路線では需要回復の動きもみられている。日本でも8月1日に約4か月ぶりに運航を再開している。

一方で新型コロナウイルスの収束の目処が立たないことから、先行きは不透明な状況が続く。

 

またグループ全体の座席供給量を示すASK(有効座席キロ)は、98%減少し3億9,100万席キロ。有償旅客を運んだ距離を示すRPK(有償旅客キロ)は99%減少し2億3,200万人キロだった。

座席利用率を表すロードファクターは26ポイント低下し59%という結果になった。

 

エアアジア各社の実績においては、本拠点であるマレーシアのエアアジアでは、旅客数が98%減少し17万912人となった。

マレーシアのエアアジアにおけるASKは、97%減少して3億2,800万席キロ、RPKは98%減少して2億200万人キロ、ロードファクターは24ポイント減少の60%であった。

マレーシアでは、6月10日から政府が国内旅行を許可したことにより航空需要は徐々に回復の兆しを見せている。

このような状況を受け、マレーシアのエアアジアでは2020年10月~12月期(第4四半期)までに新型コロナウイルス感染拡大前の65~70%程度に提供座席数を戻す予定だという。

 

また今回事業の継続を断念したエアアジア・ジャパンにおいては、旅客数が98%減少して2,482人、ASKが97%減少して400万キロ、RPKが99%減少して200慢人キロ、ロードファクターが36ポイント減少して42%となった。

8月1日には4か月ぶりに営業を再開したが、このような数字になっていることについて、同社は「政府の定めるガイドラインの影響」だとしている。

 

エアアジア・ジャパンだけでなく、他の航空会社においても依然として厳しい状況が続いている。

2020年4~6月期決算では、国内大手航空会社である日本航空やANAホールディングスで巨額の赤字を計上しており、国内でも多くの路線を運航しているLCCのジェットスター・ジャパンも直近の決算で赤字に転落していた。

 

なおエアアジアグループにおいては、エアアジアXが関西国際空港、福岡空港などとアジア各都市を結ぶ路線を運航するなどしている。

現在これらの路線は運休しているものの、今回エアアジア・ジャパンが事業廃止を発表したことでこれらの路線への影響はなく、各国の出入国規制が緩和されたら運航を再開する見込みだ。

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