JAL客室乗務員約1,000人活用の新事業スタート

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10月7日に日本航空(JAL)は、大幅な減便で余剰となっている客室乗務員約1,000人を活用して、地域活性化を進める新しい部署となる「地域事業本部」を11月1日付で発足することを発表。

新型コロナウイルスの感染が拡大し旅行需要が減少する中で、地方への観光需要喚起に向け取り組みや、ドローンを活用した物流の事業化に着手する予定だ。

5年をかけて現在の貨物事業と同等となる1,000億円程度の売り上げ規模を目指す。

JALが仕掛ける新たな事業

JALでは新型コロナウイルスの感染拡大により旅行需要が減少したことで、客室乗務員から「ふるさとアンバサダー」として約20人を公募。

この取り組みでは、出身地などゆかりのある地域の魅力を発信する取り組みを進めているという。

8月1日付で札幌で3人、福岡で5人、10月1日付で仙台と高松に2人、さらに福岡に売以下で2人が「ふるさとアンバサダー」として着任した。

10月7日に都内で会見を行ったJALの赤坂祐二社長は、「地方の支店や営業所では、航空券を売ることに注視していた。このリソースを活用して活躍してもらう」と取り組みの狙いを話した。

地域事業本部の本部長は、路線統括本部レベニューマネジメント担当の本田俊介執行役員が兼務する。

 

JALでは現在国際線で9割弱、国内線で3割で運休や減便の措置をとっており、客室乗務員が乗務する機会は従来よりも減少している。

4月からはビデオ会議システムである「Zoom」を利用して、教育や訓練を実施。

客室乗務員のスキルアップを図ってきたものの、赤坂社長は「うちの客室乗務員は非常に優秀。もっと色々なところで活躍してほしい」と、航空機乗務以外のスキルも身に着けてもらい、将来的にはマネジメントを担う人材を育てていくという狙いについても語った。

1,000人の客室乗務員は、通常の乗務と平行して地域事業本部の業務にあたる見込みだ。

客室乗務員が定年まで働ける環境へ

赤坂社長は、9月のAviation Wireによる単独インタビューでも「新型コロナ前からやりたかったことが、マルチタスク化。客室の仕事だけではもったいない。社員の二刀流を目指したい」と、以前から乗務の合間に地上勤務する客室乗務員を増やす姿勢を見せていた。

現在も機内食や機内サービスの企画に客室乗務員が携わっているものの、今後の収益を支えるためにJALが位置付ける地域事業にもさらに人材を投入するという。

 

また赤坂社長は、「客室乗務員に限らず、定年まで働ける環境を作りたい。(入社から定年まで)客室乗務員ができるかというと、(結婚や子育てなどで)そうはいかないケースも出てくる。活躍の場を作っていく必要がある」と現在の問題について話していた。

一方で新型コロナウイルスが収束し、旅行需要が回復した場合については「乗務に専念する形になるが、採用を考えながらきちんとやっていく体制を作りたい。一過性の話ではない」と話しており、乗務に専念しながらも。今後も継続して定年まで働ける環境づくりに取り組む方針を示した。

JALは非航空事業で収益の3割目指す

9月のインタビューで赤坂社長は収益の3割を非航空系の事業でまかなうことを目指していると話した。

「コロナ禍において航空事業に頼り切っていた事業ポートフォリオを見直すコンセンサスが生まれてきた」と現状ついて言及。

具体的には地域事業本部をはじめとする非航空系事業の収益を、今後4年から5年の間に1,000億円程度にまで成長させるという。

 

地域事業本部の具体的な事業には、ドローンによる物流や「空飛ぶクルマ」と呼ばれているeVTOL(電動垂直離着陸機)に関する事業も含まれている。

ドローンを活用した物流は、地方や離島などを中心に2023年ごろに、空飛ぶクルマは30キロ程度の短距離と100キロ程度の中距離を移動できるものを2025年ごろに事業化することを目指している。

こういった次世代エアモビリティ領域では運航管理が欠かせない。実際に「(ドローンや空飛ぶクルマが)ランダムに飛ぶのはあり得ない」と想定し、これまで航空機の運航で培ってきた運航管理のノウハウを活用して、運航管理プラットフォームを構築、これを事業化するという。

 

赤坂社長は、エアモビリティが地域活性化において重要な要素になるという考えに触れながら、航空会社として地域の魅力を活かした旅行商品の開発を進めるとづ時に、ドローンなどを活用した地域の課題解決を新しい収益源として育てていくと話した。

赤坂社長は現代の社会の課題について、「何もしなければ需要は元に戻らない。国内も今の形だと戻らないが、首都圏一極集中が変わってくれば、新しい需要が生まれる可能性がある」と指摘した。

こういった地方での在宅勤務や休暇の合間に働く「ワーケーション」などを契機に、JALでは新たな需要獲得を目指している。

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