トリキの錬金術師?Go To イートキャンペーン悪用に飲食店が対策

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「Go To キャンペーン」の一環として10月1日からスタートした「Go To イートキャンペーン」で、飲食店のWeb予約において付与されるポイントのシステムを悪用したポイント荒稼ぎ手口が横行している。

焼き鳥チェーンの大手である「鳥貴族」などをWebから予約、店内で低価格商品のみを注文して付与されるポイントの差額を使用しポイント荒稼ぎする「錬金術」について、飲食店側は対策を発表。

政府もこの事態に対して制度の見直しを始めている。

「Go To イートキャンペーン」とは

「Go To イートキャンペーン」は「Go To キャンペーン」の一環として10月1日から順次スタートしている。キャンペーンを通して利用者が受けられる特典は、主に2つ。

1つ目は発行した地域にある飲食店で利用可能な「プレミアム付き食事券」の販売だ。食事券には購入金額の25%が上乗せされている。

プレミアム付き食事券は、店内飲食の他テイクアウトやデリバリーも対象だが、ピザの宅配や持ち帰り専門のすし屋といった、持ち帰り宅配飲食サービスを展開している事業者は対象外である。

 

もう1つの特典が今回問題となっているポイント還元だ。

ぐるなぴや食べログといった飲食予約サイトを経由し飲食店を予約、利用した顧客を対象に、1人当たり最大で1,000円分のポイントが還元される。このポイントは飲食後に付与されるため、次回以降の利用を想定している。

ポイント付与の上限は10人(10,000円分)で、ポイント還元に関してはテイクアウトやデリバリーでの利用は対象外である。

 

【参考記事】

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「錬金術」と呼ばれる制度の悪用

今回問題になっている手口は、Web予約のなかでも「席のみの予約」を利用したものだ。

「Go To イートキャンペーン」では、飲食店予約サイトで来店予約をすることで、ランチの時間帯は500円分、ディナーの時間帯(午後3時以降)は1,000円分のポイントが付与される。

前述の通りポイントは次回以降の来店で利用できるが、その際にWeb予約をして来店すればさらにポイントが貯まる。

このシステムを利用して標的にされたのが、1品の単価を低く設定している焼き鳥大手チェーンの「鳥貴族」だ。

 

悪用している人は、Web予約で席のみを予約。来店して「298円(税込327円)均一」の商品を1品のみ注文。会計時にはこの327円のみを支払い、後日ポイント付与で1,000円のポイントを受け取っている。

こうすることでポイントから実際の利用金額を差し引いた637円分の「もうけ」が発生する。

Web予約を通したポイント付与回数には制限がなく、店内での利用金額も定められていないため、1日に複数の店舗を回ったり、数日にわたって店舗を利用し差額を受け取続けているものの、現段階では不正には当たらない。

 

標的にされている飲食店は鳥貴族だけではない。

焼肉チェーンである「七輪焼肉安安」のタレ(10円)のみを注文する人や、「居酒屋それゆけ!鶏ヤロー!」など、多くの飲食店でキャンペーンを悪用した手口が使われていた。

店舗側ではWebからの予約に対して予約サイトに手数料を支払っており、売上金額から手数料や原価を差し引くとほとんどもうけが残らない。店舗によってはマイナスになることもあるという。

新型コロナウイルスの感染拡大によって苦境に立たされている飲食店を救済するはずの制度が、悪用が続けば逆に飲食店を苦しめてしまうことになる。

キャンペーン悪用の対策を実施

自体を受け「鳥貴族」では対策を実施している。

Webからの予約における席のみの予約を「Go To イートキャンペーン」の対象外とし、最低価格が1,635円のコース料理のみをキャンペーンの対象とすることを発表している。

飲食店によってはWebからの席のみの予約を停止し、席のみの予約は電話のみ受け付ける対応をしている店舗もあるという。

 

これについて農林水産省からの謝罪はない。

一方で加藤官房長官が開いた経験では、「昼食500円、夕食1000円未満の金額で飲食した場合に、ポイントを付与しない方向で対応策を検討していると聞いている。今まさにそうした方向で農林水産省が検討しているということだ」と悪用について言及。

政府も利用金額が付与される金額に満たない場合には、ポイント付与の対象外となる方向で対策に乗り出していることを明らかにした。

ポイントは2021年の1月まで、もしくは全国で付与されるポイントの総額が国の事業費の上限に達するまで、回数に制限なく受けられることから、政府の対策が急がれる。

 

今回の悪用について、SNSなどでは「まじめに働く方が稼げる」「儲けを得る代わりに尊厳を失っている」と非難する人も多い一方で、未だこういった手口が使われているのも実情だ。

飲食店を救済するための策が、かえって飲食店に打撃を与えている現状について、各飲食店の対応だけでなく、政府からの対応も必要不可欠だ。

これからの政府の対応に注目が集まるとともに、利用客のモラルも問われている。

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