中国の大手雑貨店「名創優品(メイソウ)」ニューヨーク証券取引所に上場

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「無印良品とユニクロとダイソーを足して3で割った中国ブランド」とも言われている、中国の雑貨店大手である名創優品(メイソウ)がアメリカニューヨーク証券取引所に上場した。

世界80を超える国と地域で4,200店以上を展開しており、出店を加速させている。

日本の100円ショップのような特徴をもっていることから、「ダイソー」や「無印良品」の模倣だとの指摘もあるものの、成長スピードにおいては本家を上回っている。

製造業やITで躍進している中国企業だが、小売市場でも台頭し始めている。

アメリカニューヨーク証券取引所での勢い

上場した10月15日、初値は公開価格の20ドルを2割以上を上回り24.4ドルを付けた。

19日時点の時価総額は64億ドル(約6,800億円)。市場からの調達額は6億ドル規模で、調達した資金は新店舗の出店のほか、新型コロナウイルス語を見据えたシステム開発に充てるという。

 

メイソウはアルファベットの「MINISO」やカタカナの「メイソウ」というブランド名で雑貨店を展開している。中国では10元(約150円)の商品を販売する「10元店」と呼ばれる専門店の代表格である。

看板は日本のユニクロ風であるものの、店舗に入ると文具や玩具、化粧品、食品など「ダイソー」や「無印良品」に似た商品が並んでいる。商品の中にも麺棒やハンドソープ、ハンガーなど10元で購入できる商品は多い。

ピカチュウのぬいぐるみやミッキーマウスの水筒といったキャラクターグッズも並んでいる。

 

「名創優品」最大の強みは商品企画力のスピード感だ。7日ごとに1万件のアイデアから100件の新商品を出す「711」という方針を持っている。

2019年頃からは、世界の有名ブランドと提携、「ディズニー」や「ハローキティ」といった17のブランドと提携を組んでいる。

新製品の多さやキャラクターグッズの多さが若者を呼び、中国では来店客の約6割が30歳未満だという。

名創優品は日本にも上陸していた

店舗数は、6月末の時点で中国に約6割を占める2,533店舗、北米やインドなどの海外で1,689店舗を展開していた。

創業から7年で雑貨店として世界有数の規模になった同社は、店舗の大半をフランチャイズ方式で出店。日本でも最近イオンモールへの出店が増加している。

一方で、同社が店舗づくりなどを参考にしている「ユニクロ」を展開しているファーストリテイリングの店舗は約3,600店舗、無印良品は約1,000店舗。

「ダイソー」を展開している大創産業においても、現在の約5,700店舗の体制になるまでに創業から40年以上かかっている。成長スピードでは完全にお株を奪われたといえる。

 

2013年に名創優品を創業した葉CEOは、もともと院本好きだったこともあり、日本を頻繁に訪れていた。日本で中国製の雑貨が多く売られていたことに着想を得て、中国で雑貨専門店を立ち上げたという。

中国企業は小売業界でも台頭し始めている

中国初の小売企業で世界4,000店舗以上を展開している企業は珍しい。

葉CEOはかねてより「1万店」という目標を公言しており、上場後は再度出店ペースを加速させていくという。

中国企業は家電製品や「TikTok(ティックトック)」といったアプリでも世界で存在感を出しつつあるが、今後は小売業で影響力を強めるとみられている。

 

名創優品が参考にしているという良品計画は、メイソウについて「消費者は『無印良品』とは違うものと認識しており、ライバル関係は特にない」と言及しているものの、中国勢の勢いの強さから日本勢はグローバル市場で需要を先取りされる可能性も否めない。

しかしながら今後は成長の質も問われている。

メイソウは、2019年6月期と2020年6月期の業績しか開示していないものの、2020年6月期の売上は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、前期よりも4.5%減となる89億元(約1,400億円)にとどまっている。

なお損益においては、出店コストなどが重荷となり2期とも最終赤字であった。

 

中国を中心に600を超えるサプライヤーから商品を強いれ、原価低減に努めているものの、「低価格をうたっているためコストを転嫁できない状況が続いている」という指摘もある。

今後の成長について、急成長を暗転的な成長に変えられるか否かが試されている。

企業統治での課題も

前述のように世界的に急成長したメイソウだが、ガバナンス(企業統治)の面での課題もある。9月には同社が販売するマニキュアから、基準値の1,400倍を超える発がん性物質が検出され批判を浴びた。

中国メディアによると、国内外の化粧品ブランドなどと十数件の知的財産の訴訟も抱えているという。

 

さらに創業の経緯をめぐる不透明感も抱えている。

メイソウの日本のウェブサイトでは、創業者は葉CEOと日本人デザイナーの三宅順也氏の2人で「東京で創設され、中国へ進出した」と書かれているが、これは中国での説明と食い違っている。

過去には日本法人の所在地が存在しない住所だったという問題も発覚していた。

 

中国ではメイソウと同様に急成長してアメリカ上場を果たしたカフェチェーンである「ラッキンコーヒー」が6月に上場廃止に追い込まれている。

不正会計が原因だったものの、創業から2年で4,000を超える店舗を出店するなど、成長を急いだことが原因をのみ方もあるという。

メイソウにおいても出店加速と同時に、一段の情報公開などで足場を固める必要がある。

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