賞味期限の表示が月単位へと変更

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食べられるにもかかわらず、賞味期限が切れたために廃棄処分される食品ロスの削減を目的に、商品の賞味期限表示を日単位から月単位に変更する企業が増加している。

食品ロスの削減は、国連が掲げている「SDGs(持続可能な開発目標)」においても重要課題として挙げられており、専門家は「新型コロナウイルスの影響も相まって、食品ロス対策の機運がさらに高まるのでは」と指摘している。

オタフクソースでは9月以降賞味期限を月単位に変更

お好み焼き屋焼きそばのソースで知られているオタフクソースでは、9月以降に製造したお好み焼き屋焼きそば用のソースを含む計67品目の賞味期限をこれまで年月日で表示していたものの、年月の表示に変更した。

このことにより、これまでは2020年11月2日が賞味期限であった食品は「2020・11・02」と表示されていたが、これからは「2020・11」という表示に変更になる。

オタフクソースでは、賞味期限の表示が月単位になることによって賞味期限が月末まで伸びるため、食品ロスを大きく軽減できるのではと期待している。

 

食品ロス以外の面においてもメリットがある。それが在庫管理だ。製造日が違う商品でも月末に賞味期限がそろうことから、配送や在庫などにおける管理がしやすくなる。

オタフクソースの担当者は、「社会的課題への取り組みと、経営の効率化を両方実現できる」と新たな取り組みへの期待を語った。

食品メーカーでは続々と賞味期限表示を変更

賞味期限表示を月単位に変更しているのはオタフクソースだけではない。大手食品メーカーでは、近年同様の動きが進んでいるという。

江崎グリコでは、2016年からビスケットやカレールーといった加工食品の賞味期限を全て年月表示に変更している。

これについて江崎グリコの担当者は、「クレームなどは特になく、消費者にも理解してもらっている」と取り組みへの成功を話した。

ハウス食品グループでも、家庭用のカレールーである「バーモンドカレー」などの商品を将来的に年月表示に切り替える方針だという。

食品メーカーの変化の背景

食品の賞味期限を年月表示に変更する企業が増加している背景には、国連が2015年に採択したSDGsに「食料の損失・廃棄の削減」が盛り込まれ、企業や消費者の関心が高まった影響があるとされている。

農林水産省などによると、2017年の食品ロスは612万トンにまで上っており、この数字は国民一人あたり年間48キロも廃棄している計算となる。

また2019年10月には、企業や消費者にも食品ロスの削減を促すことを目的とした「食品ロス削減推進法」が施行されている。

 

また2020年に入ってからは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、外食を避け自宅で調理するケースが増加していることも食品ロスの削減に一役買っていると考えられている。

ほかにも小売店などで売れ残りような食品や食材を割安で購入できる専用アプリのサービスが人気を博しており、サービスを提供している会社の担当者は、「売り上げが減った店舗や生産者を支援したいと考えて購入する人も多い」と傾向について言及した。

 

賞味期限の表示の見直しについても、消費者からは賛同する声があがっているという。

実際に小売店で商品を選ぶ際には、棚の奥にある比較的賞味期限が長い商品を選ぶ人もいる。賞味期限が月単位になることで1日2日の賞味期限の差を気にせずに購入できるようになるのではないだろうか。

ほかにも多少賞味期限が切れても味は変わらず食べられることから、食品ロスが減少するような取り組みを歓迎する人も多い。

 

SDGsに詳しい大和総研の市川拓也・主任研究員は、「新型コロナを機に、『もったいない』を再認識した消費者は多く、SDGsへの関心が高まっている。今後も食品ロス削減に積極的な企業が増えてくるだろう」と消費者の傾向や、企業の姿勢について予測した。

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