トヨタが燃料電池車の大量生産を発表

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トヨタ自動車は、12月に「MIRAI(ミライ)」を全面刷新して発売することを受け、燃料電池車(FCV)の生産能力を現在の3,000台から、10倍となる3万台にまで強化する。本格的に量産体制を整えてMIRAIの普及を図るという。

トヨタの燃料電池車(FCV)「MIRAI」を量産

FCVは水素を燃料とする車で、走行中に排出するのは水だけであるため、「究極のエコカー」とも言われている。

トヨタの発表によると、動力の中心となる燃料電池の生産能力を現行の10倍に増加させることで、バスなどの商用車を含むFCVの量産体制を整えるという。

現在販売している初代MIRAIは、2014年に世界初の量産FCVとして発売されたが、量産とはいえ、生産能力が年3,000台ほどに限られていたことから、販売台数は伸びずにいた。

なお2019年の国内のFCV乗用車の販売台数は、960台にとどまっている。

量産体制に転換するきっかけとなった新しい「MIRAI」

今回トヨタが量産体制に移行するきっかけとなったのが、MIRAIの全面刷新だ。トヨタでは11月2日では、MIRAIの第2世代となる新柄「ミライ」のプロトタイプ概要を発表した。

 

新型ミライはFCVとしてではなく、ひとつの車として魅力的な商品を目指している。

その魅力のひとつが外見だ。初代MIRAIが「プリウスα」のプラットフォームをベースに作られていたことに対し、2代目MIRAIでは、4975×1885×1470mm(全長×全幅×全高)というLクラスのボディサイズになっており、これはレクサス「LC」などと同じくTNGAのGA-Lプラットフォームをベースに構成されている。

FCVのユニットとしては、水素から発電するFCスタックが第2世代になる、体積出力密度は3.1kW/Lから4.4kW/Lに、最高出力が114kW(155PS)から128kW(174PS)へと強化されている。

さらに燃料タンクとなる水素タンクは、2本(4.6kg)から3本(5.6kg)と増量されただけでなく、駆動用モーターも最高出力113kW(154PS)/最大トルク335Nm(34.2kgfm)から、134kW(182PS)/300Nm(30.6kgfm)へと高出力化された。

 

これらの刷新により走行距離も従来の約650kmから約850kmにまで延長され、この距離は東京~大阪間を無充電で余裕を持って走行できるようになったという。

トヨタが水素バリューチェーン推進協議会設立

トヨタなど9社は2020年10月14日に、水素社会の実現を推進する「水素バリューチェーン推進協議会」を発表していた。設立は12月初旬を目標をしており、賛同する企業や自治体、団体を募っていた。

水素エネルギーの需要創出やスケールアップ、技術革新によるコスト低減、事業者に対する資金供給といった課題の解決に向けた横断的な団体として、設立された。

既存の団体や事業者と協力、協調し、水素バリューチェーンの確立に向けた事業化や渉外、調査といった機能を担う予定だ。

協議会の準備委員会には、トヨタ自動車のほかに「岩谷産業」や「ENEOS」、「川崎重工業」、「関西電力」、「神戸製鋼所」、「東芝」、「三井住友フィナンシャルグループ」、「三井物産」が参加している。

 

既存の水素エネルギー関連の団体の中では、2017年1月に発足した「水素協議会(Hydrogen Council)」が規模として大きい。この団体には自動車業界のほか、充電、エネルギー関連のグローバス企業が参加している。

 

日本国内での水素活用は、燃料電池車(FCV)のみならず鉄道や海運などあらゆる分野で進められている。

鉄道においては、トヨタ自動車が東日本鉄道(JR東日本)や日立製作所とともに燃料電池のハイブリッドシステムを搭載した試験車両を製造しているほか、2022年3月ごろから鶴見線、南武線尻手支線、南武線で試験走行を行っている。

海運においては、日本郵船、東芝エネルギーシステムズ、川崎重工業、ENEOS、日本海事協会の5社で、燃料電池線の開発を進めている。2024年6月に竣工し、その後半年間で実証運行を予定しているという。

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