JR東日本が運賃変動制の導入を検討

Business

JR東日本が今年の夏に導入の検討を発表した「変動運賃制」が注目されている。

変動運賃制は時間帯によって運賃を変える新しいシステムで、新型コロナウイルスの感染拡大などを機に、返答を決めたという。利用者からはこの変更が値上げにつながるのではないかと心配する声も上がっている。

運賃変動制とは

今回検討されていると言われている運賃の見直し方法としては、利用客の多い時間帯と少ない時間帯で変動させるものだ。在宅ワークが増加し定期券の利用者が減少する一方で、普通の運賃を支払って乗車している人が増えたことも背景にある。

さらに定期券は割引率が高く、その利用者が混雑時に集中していることは、事業者にとって儲かるビジネススタイルとは言えない。

また利益の薄い定期券利用者のために、事業者は莫大な資金を投じてラッシュ時の対策を行っているという一面もある。

 

定期券の利用が減少しているものの混雑の時間帯はまだ残っている一方で、運賃収入が減少している中で稼ぐ方法の一つとして挙がったのが「時間帯変動運賃」だ。

この制度では、混雑している時間帯は稼ぐためと利用者を抑制するために運賃を高く設定し、空いている時間帯は利用者を増やすために運賃を安くするというものである。

 

しかしながら鉄道運賃には許認可が必要だという側面もある。さらに交通系ICカードと紙切符でも運賃が変わるということもある。

これらの側面から考えると、紙切符は値段を上げ、その価格を基準に交通系ICカードの運賃を時間帯によって変動させるのが妥当なのではないかと考えられている。

紙切符の運賃を変動制にすると、発見時間と改札を通過する時間に若干の差があるため、場合によって運賃差が出てしまうため、条件によっては通過できない可能性も出てくる。

JR東日本が運賃変動制を発表

JR東日本の深沢祐二社長は、2020年7月の定例記者会見で、「ダイヤや運賃の見直しを検討している」と述べ、変動運賃制がその一つであることを発表した。

現在の日本の鉄道の運賃は基本的に乗車した距離に応じて決まる仕組みだが、運賃変動制はこれに対して混雑のピーク時に運賃を高くしたり、ピーク意外の運賃は安くして、時間によって運賃を変えるものである。

 

変動運賃制には、感染症対策の意味合いもあるという。変動運賃制によってピークを分散化できれば、電車内での三つの状態を緩和することができる。

変動運賃制ではないものの、実際に東京メトロでは東京オリンピックに備えて、混雑緩和策の一環として「オフピークプロジェクト」を実施。ラッシュ時を避けて乗車した人にはポイントを付与する取り組みで、実質的な割引といえる。

JR西日本でも変動運賃制を検討

JR東日本だけでなく、JR西日本でも変動運賃制の導入を検討している。両社は変動運賃制の導入に向けて国土交通省の導入に向けて用意を進めているとされる。JR各社のみならず、私鉄大手にも同様の動きが広がる可能性もある。

ピークの分散は感染予防だけでなく、通勤環境の改善にもつながり、前向きにとらえられる一方で問題も多い。

 

テレワークの広がりや、外出自粛の影響で鉄道利用者は激減している。

JR東日本が9月に発表した2021年3月期連結決算予想によると、前期は1,984億円の黒字であったところ、最終損益は4,180億円の赤字の見通しで通期の赤字転落は1987年の民営化以降初となる。

厳しい経営環境の中、抜本的な対策は避けられず、同社ではすでに来春から終電時間の繰り上げを発表、コスト削減を急ぐ計画だ。

 

変動運賃制はこうした中で突如JRが話題に挙げたもので、業績悪化を受けた対応策の一環であることは関連しないとみられている。

同社は定期券で運賃変動制を導入する可能性を示唆しているものの、混雑のピークとなる時間帯を避けた乗客向けに運賃を引き下げた定期券を導入する一方で、従来型の定期券は値上げするような形が考えられている。

 

JR東日本は値上げするとは名言していないものの、変動運賃制の導入で実質的に値上げとなる可能性は小さくないと話す鉄道関係者は少なくない。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました