GDPの年率換算が21.4%増と1980年以降の伸び幅に

Business

16日に内閣府が2020年7月~9月期の国内総生産(GDP)の速報値を発表した。発表によると、物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)は4月~6月期と比較して5.0%増加しており、このペースが1年続くと仮定した年率換算は21.4%増加となった。

しかしながらこの増加幅は、前期の激減の反動によるものだという面が大きく、実額では新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に及ばないという。

さらに足元では感染が拡大しており、先行きには不透明感が漂っている。

2020年7月~9月のGDP

成長率は比較できる1980年以降では最も大きく伸びた結果となった。また統計が残っている1955年以降では1968年10~12月期以来、約52年ぶりの上げ幅となる。

プラス成長は、2019年10月の消費税引き上げを見据えた駆け込み需要があった2019年7月~9月期以来となる1年ぶりで、政府が緊急事態宣言を出した4月~6月期の年率である28.8%減から大きく回復した。

しかし実質GDPの実績は年換算で507兆円にとどまっている。4月~6月期の483兆円からは回復したものの、1月~3月期の526兆円を下回る水準にとどまった。

GDPの回復を支えた個人消費と輸出

7月~9月期においては、個人消費と輸出が改善した。GDPの半分以上を占める個人消費は、前期は8.1%減だったものの、前期と比較して4.7%増加し1年ぶりにプラスに転じている。

政府が全国民に対し1人に対し10万円を支給した「特別定額給付金」により、家電や自動車などの消費が好調であったことが影響している。外食産業などのサービス消費の悪化も底打ちの兆しがあるという。

 

輸出においては、前期は17.4%減と大幅に減少していたものの、今期は7.0%増となり、3四半期ぶりのプラス成長となった。

経済活動の再開が早かった中国のみならず、停滞していた欧米向けの輸出も持ち直したことが影響している。また自動車や自動車部品、電子部品などが伸びているという。

 

一方で起業の設備投資は3.4%減と、2四半期連続のマイナスとなった。コロナ禍における行先の不透明感から投資計画を先送りしたり、新規投資を慎重に判断する企業増加の動きが続いている。

また在宅投資は7.9%減と4四半期連続で減少した。新型コロナウイルスの影響で着工が遅れたことや、販売活動が制限されたことが響いたとみられる。

 

家計の実感に近いとされる名目GDPは5.2%増と、年率換算で22.7%増加となった。

新型コロナウイルスの新規感染者数が再び全国的に増加しており、今後は回復ペースがこれまでよりも遅くなるとの見方が広がっている。

西村経済再生相は16日に発表した談話で、「国内感染者数の増加による個人消費への影響には充分に注意する必要がある」と指摘した。

V字回復の期待は薄い

7月~9月期の国内総生産(GDP)は、経済活動の急低下で戦後最悪の落ち込みとなっていた4月~6月期の反動と、政府の経済対策の効果が相まって、大幅なプラスに転じた。

しかしながらコロナ禍以前の経済水準には届いておらず、さらに再び感染者が増加していることから、今後の回復ペースが鈍化することも懸念されている。

さらに今回のプラス成長には、外出自粛や飲食店の栄養時間の制限が緩和された反動で消費が活発化したとみられている。また政府が実施した消費喚起策である「Go To キャンペーン」や特別定額給付金の支給も追い風になった。

一方で夏場に感染が再度拡大したこともあり、個人消費の回復は限定的だったと考えられる。

 

今後も経済動向は新型コロナウイルスの感染状況に左右される状況か続き、「V字回復」への期待は薄い。

国内外では感染者数が再び増加している傾向にあり、欧州などでは春に続き再び外出制限を強化したり、ロックダウンを実施したりという動きもみられている。

個人消費や輸出は再度減速しかねず、企業は設備投資を抑制したままとなるだろう。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました