日本のスーパーコンピューターが4つの世界ランキングでトップに

Business

日本ノスーパーコンピューター「富岳」が、「TOP500」「HPCG」「HPL-AI」「Graph500」の4つのスーパーコンピューターの性能を競う世界ランキングでトップの座を獲得した。

富岳は前回開催された同じランキングにおいても、ランキング首位を総なめしているものの、今回はハードウェア、ソフトウェアの両面での強化を武器に、2位に大差をつけてランクインを果たしたという。

日本のスーパーコンピューターが世界のトップに

理化学研究所(理研)と富士通が共同で開発していた日本のスーパーコンピューター「富岳」は、2020年6月に4つの世界ランキングで1位を獲得した。

「富岳」の前任となる「京」が2011年に首位を獲得して以来、約8年半ぶりに世界で最も優れたスーパーコンピューターに選ばれたこととなる。

さらに新たに11月17日にオンラインで開催された国際会議の「SC20」で、「富岳」が前回同様「TOP500」「HPCG」「HPL-AI」において首位を維持したことが発表された。

同時にGraph500 Committeeから、「富岳」が「Graph500」において1位になったことも報じられた。

スーパーコンピューター「富岳」の性能

「富岳」は、今回発表された世界のスーパーコンピューターの性能ランキングである「TOP500」に挑むにあたり、CPU数を前回の729万9072コアから763万848コアに増設したほか、システムにおけるソフトウェアスタックも調整。より効率的に演算が行えるようになっている。

結果としてLINPACKスコアは前回の415PFLOPSを上回る442PFLOPSを記録し、前回に引き続きトップの成績を残した。

この数字は2位にランクインしたアメリカのスーパーコンピューターである「Summit」のスコア、148PFLOPSを大きく引き離す数字であり、約3倍もの性能差をつけたことになる。

 

それだけでなく、産業利用といった実際のアプリケーションでの処理速度を計測する「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」や、人口知能(AI)の深層学習に関与する性能を計測する「HPL-AI」においても、それぞれの2位に対し5.5倍と3.6倍もの差をつけて優勝している。

ほかにも「富岳」は、大規模グラフ解析に関するスーパーコンピューターの国際的な性能ランキングである「Graph500」においても首位を獲得。

これらの結果により、「富岳」は主要なスーパーコンピューターの性能ランキングにおいて4つすべてで2期連続1位の獲得を果たしたことになる。

 

また「富岳」は「TOP500」のベンチマーク値を消費電力で割った結果のランキングである「Green500」においても10位に入賞し、効率面での強さも見せつけた。

「富岳」が世界のITをリード

理研の計算科学研究センターのセンター長である松岡聡氏はこの結果について以下のように語っている。

「『富岳』がすべての主要なスーパーコンピューターの諸元で突出して世界最高性能だということを、前回ランキングである6月時点からさらに性能を向上させることで、再度示せた。今後『富岳』はスーパーコンピューターとしての利用とともに、開発された『富岳』のITテクノロジーが世界をリードする形で広く普及し、新型コロナウイルスに代表されるような、多くの社会問題を解決するとともに、日本のイノベーションを先導していくだろう。」

 

また今回発表された「TOP500」において、トップとなったメーカーは、全体の36%にあたる180機を入選させた「Lenovo」で、そこにHP(ヒューレット・パッカード)を前身とする「HPE」とその子会社である「Cray」や、中国の情報技術企業である「Inspur」が続いている。

なお「富岳」を開発した富士通からは15機が入選している。一方で性能別のシェア率では、富士通が全体の16%を占めトップになった。

 

一方で今回の「TOP500」では、スーパーコンピューターの性能の向上が頭打ちを迎えつつあることが鮮明になったといえる。

「TOP500」のスーパーコンピューターのパフォーマンスの上昇率と「TOP500」の平均パフォーマンス上昇率を、「半導体の集積率は18か月で2倍になる(1年では1.6倍)」としているムーアの法則を比較したときに、2014年以降から「TOP500」のスーパーコンピューターの性能の上昇率がムーアの法則に遅れがちだということが分かっている。

しかしながらこういった現状でも、「TOP500」を作成しているErich Strohmaier氏は、「2020年代後半には、スーパーコンピューターの性能が1ExaFLOPS(1PFLOPSの1000倍)の大台に乗り上げるだろう。」と予測しており、今後のスーパーコンピューターの性能に注目が集まっている。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました