アメリカの製薬会社大手の「ファイザー」は、18日に開発中の新型コロナウイルスのワクチンで95%の有効性が確認できたとして、数日以内にアメリカ食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請すると発表した。
承認が下りるのは申請から数週間後とみられ、スケジュール通りに承認されれば年内のワクチン実用化が見込まれている。
アメリカの製薬会社「ファイザー」がコロナワクチンを開発
ファイザーのルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は、18日に発表した声明の中で、「歴史的な8カ月間のなか、この研究結果はパンデミックを終結させる重要な一歩となる」と述べた。
9日に実施した臨床試験(治験)にて有効性が9割を超えたことを発表しているものの、最終分析では95%に達している。また現時点では重大な副作用は見られていないという。
FDAでは治験参加者に対し、ワクチンの投与を修了してから副作用が出やすいとされる2か月間の経過観察を求めているほか、有効性は少なくとも50%なければならないと定めている。
ファイザーはこうした要件を満たしたとして、ワクチンの緊急使用許可を申請する。
ワクチンの供給予定
ファイザーがFDAに緊急使用許可を申請したことにより、年内にもワクチンが実用化される見通しとなった。
ファイザーと共同でワクチンを開発しているビオンテックのウグル・サヒン最高経営責任者(CEO)は、18日に実施されたロイター通信のインタビューに対して今後のスケジュールについて語っている。
インタビューによると12月中旬にも承認が下りる可能性があるという、またアメリカの報道によると、FDAはワクチンに関する諮問委員会を12月8日~10日に開催する予定で、最終日となる10日にも承認の可否が決まるとの見方も出ている。
またアメリカ当局も数週間以内にワクチンが承認され、供給が始まる可能性について言及している。
アメリカ保健福祉省のアレックス・アザール長官は、18日にファイザーとモデルナのワクチンについて、「数週間以内に承認が下り、共有される可能性がある」と近いワクチン供給を示唆した。
FDAが承認してから24時間以内に供給を開始する準備も整っているという。
またモデルナは16日に、有効性が94.5%だったとする初期データを発表しており、数週間以内にFDAに緊急使用許可を申請する見通しだ。
アメリカ国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は17日に米メディアに対して「12月にも医療従事者などの摂取が始まるだろう」との見方を示している。
また、すべてのアメリカ国民がワクチンを接種できるのは、最短で2021年4月とみられている。
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