JTBが人員の削減や店舗の縮小を発表

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20日にJTBが、店舗の25%を閉鎖することやグループ人員6,500人を削減することを盛り込んだ事業構造改革を発表した。

旅行業界ではOTA(オンライントラベルエージェント)を使った宿泊予約が急激に増加しており、ネット化の立ち遅れによって顧客をOTAに奪われていた。

新型コロナウイルスの感染拡大により、JTBの強みとしていた団体・法人向けの需要も激減しており、業態の縮小に迫られていた。

JTBでは大幅な売上減

発表された2020年4月~9月期の連結決算において、前年同期には43億円の黒字であった最終損益が781億円の赤字に転落した。

個人旅行を中心にOTAに顧客が流出しているほか、新型コロナウイルスの感染拡大によって観光やビジネスの利用が激減し追い打ちをかけた。また売上高も1,298億円と前年同期の2割程度にとどまっており、事業経費を補えなかった。

旅行業界においてこういった傾向は当面続くと予測されており、2021年3月期の経常損益は1,000億円の赤字を見込んでいる。この数字は連結決算に切り替えた2000年以降で最大の損失額だ。

JTBでは経費カットに向けたあらゆる計画が

こういった背景からJTBでは経費カットへ大幅な人員の圧縮を余儀なくされた。

国内では統廃合を含め19年度と比較して25%にあたる115店舗を削減するほか、国内のグループ会社も統合なとにより10社以上、さらに海外拠点も190拠点以上削減するという。

さらに同日会見を開いた山北栄二郎社長は、「賞与と月例給を合わせ約3割の削減が必要」と指摘し、労働組合とも協議していることも明らかにした。

早期退職や自然減などでグループ社員を2021年度にかけて2割削減し、22年度は新卒採用を見合わせる方針だ。

 

営業面でもデジタル化を急いでいる。交通手段と宿泊を自由に組み合わせられる「ダイナミックパッケージ」の比率を、来年度までに現在の2割から8割に引き上げる。

さらに繁閑に応じて価格を随時変更する仕組みで、予約サイトなどでの価格比較になじんだネット利用者を取り込もうとしている。

店舗での接客においてもデジタル技術を活用する。ビデオ通話で専門性の高い社員が接客するほか、自宅などからの利用者も検討する方針だ。

山北社長は「枡形から個人に合わせた商品に変えていく。既存商品も付加価値の高い者に変える。」と今後の方針について語った。

旅行業界もネット利用者が増加

OTAの台頭は新型コロナウイルスの感染拡大以前より始まっていた。

日本観光振興協会などの19年の調査によると、観光関連のサイトの年間閲覧数(スマホ向け)では「じゃらんnet」が主となっている。さらに「楽天トラベル」が続き、大手旅行会社では「エイチ・アイ・エス(HIS)」が7位、「JTB」が10位という結果に終わった。

大手ホテルチェーンの担当者も予約の中でもっとも割合が高いのはサイトからの予約だと話しており、予約の変更やキャンセルが手軽に行えるだけでなく、旅行予約によって貯まるポイントを旅行以外にも飲食店などで利用できる点が評価されているのではと語った。

 

JTB以外の旅行会社大手も店舗の閉鎖やデジタル化を進めている。

「近畿日本ツーリスト」各社を傘下に持つ「KNT-CTホールディングス」は、2022年3月までに全国の個人向け店舗138店を3分の1に縮小する方針だ。

同社では2021年3月期通期について、170億円の最終赤字を見込んでおり、こういった背景から有人店舗の削減に伴い、アバターを通じたオンライン接客を導入するという。

現在近ツー各社で販売している神のパンフレット中心の営業もネットに切り替え、デジタル化を推進するほか、「ホリデイ」などのパックツアーのブランドを廃止し、交通手段と宿泊を自由に組み合わせる方針に一本化する。

 

一方でデジタル化を進めるだけでは、OTA各社との差別化は難しい。そこでKNTが注目したのは、グループのクラブツーリズムが会員として抱えている700万人の個人情報だ。

このデータをもとに趣味や趣向に合わせたテーマ型の旅に吹かけるなデータを収益拡大に活かすという。

ほかにも趣味などに合わせたコミュニティーをオンライン上で構築し、旅行に関連した講座やイベントでのサブスクリプションの導入も喧騒している。2024年度までに100万人の有料会員の獲得を目指している。

KNT-CTホールディングスの酒井社長は「宿泊予約ではオンライン専業には勝てないため、付加価値の高い旅行関連の商品で差をつける」と今後の方針について説明した。

 

実店舗とネットの融合戦略も課題だといえる。HISでは海外約250か所の拠点網を活かし、ビデオ通話を利用した「オンライン旅行」を旅行先選びに役立てている。さらにガイドやスタッフが現地の魅力を伝え、日程相談に乗ることも検討するという。

競合を勝ち抜くには、オンライン化の徹底のみならず、既存の刑し資源の活用が不可欠だといえる。

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