スーパーコンピューターがコロナの感染拡大をシミュレーション

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スーパーコンピューター「富岳」で新型コロナウイルス対策について研究している神戸大学や理化学研究所で構成されるチームは、26日「カラオケボックスでは換気口の下に立ち、マスクをして歌うと飛沫の拡散が抑えられる」というシミュレーションの結果を発表した。

カラオケやタクシーでの感染シミュレーション

神戸大学や理化学研究所で構成されたチームでは、スーパーコンピューター「富岳」を用いてあらゆるシーンでの感染シミュレーションを実施した。

カラオケボックスにおける感染シミュレーションは、20平方メートルのカラオケボックスに9名が入室した場合を想定して行われた。この場合には、1人がマスクなしで歌うと、大きな飛沫は前方や机の上などに飛び、エアロゾルと呼ばれている小さな飛沫は、歌を歌い始めて30秒程度で急速に室内全体に拡散する。

一方でマスクやマスクガードを付け、加えて排気口の下に立って歌った場合には、エアロゾルの拡散を大きく抑えることができるという結果になった。

 

さらにタクシーの乗車時に運転手が咳をした場合に、窓を開けているかどうかによって飛沫の拡散がどのように変わるかについてもシミュレーションが行われた。

シミュレーションの結果、運転席や後部座席の窓を開けておくと、20秒後には飛沫のおよそ4分の1が運転席側の窓から排出されることが判明した。

また窓を閉めていても、エアコンの送風モードをオンにするだけで、およそ90秒で空気が入れ替わることも分かり、窓を5センチ空けるよりもエアコンの風量を強くした方が換気の効率が高いことも明らかとなった。

 

野外活動についてもシミュレーションが行われ、屋外では飛沫が即座に拡散するわけではなく、無風であれば正面にいる人に飛沫が飛散し、風が吹いても風向きによって飛沫を浴びるリスクが高まるという結果になった。

またマスクがない場合には、1メートルから1.7メートル離れるだけで到達する飛沫の量を半分にすることができるとわかり、屋外であっても距離をとることが重要だと指摘している。

JALも機内における感染シミュレーションを実施

日本航空と理化学研究所は、26日にスーパーコンピューター「富岳」を使用して実施した機内での新型コロナウイルスの拡大防止につながる研究結果を発表した。

今回の「富岳」を使用したシミュレーションでは、仮想的にウイルスの飛沫で汚染された空気を機内に見たし、機内の換気システムを使った場合にどのように浄化されていくかについて評価した。

結果として外気換気のほか、循環空気もHEPA(高効率粒子状空気)フィルターを用いることでウイルスが除去され、機内の空気は3分程度で浄化されることが確認できたという。

 

客室内の空気は、基本的に左右の主翼下にあるエンジンから取り込まれ、天井裏のエアコンダクトから流れ、左右の壁化の下部から床下へ流れて機外へ排出される。一部の空気は客室へと循環する際にHEPAフィルターでろ過される。

IATA(国際航空運送協会)やJALをはじめとした航空会社は、3分程度で客室の空気が入れ替わり、空気が清潔な状態は保たれていることについては説明してきたものの、「富岳」によるシミュレーションでも同様の結論に至った。

機内でのマスクの必要性についてもシミュレーション

シミュレーションでは、機内でのマスク着用の有無についても検証された。

マスクを着用せずに咳をした場合に、10ミクロンより大きい飛沫は咳をした人の前方1メートル以内に落下し、10ミクロン以下の小さい飛沫はエアコンの風邪に乗り空中を漂うものの、機内の空気循環システムによって3分程度で客室内からなくなることが確認できた。

 

さらに飛沫の拡散は着席姿勢によって影響を受けることも分かった。通常姿勢の場合は、前列席の背もたれがパーテーションのような役割を果たすため、大きい飛沫の拡散を抑制していた。

一方で小さい飛沫はリクライニング姿勢の場合には、通常姿勢の場合と比較して広範囲に拡散することが明らかとなった。

またマスクを着用していると、咳により発生する飛沫を3分の1にまで抑え、機内に拡散する飛沫を大幅に抑えられることも確認できた。

 

JALと理研は、発生する飛沫そのものを減らす観点で、機内でのマスク着用は、それによる感染リスク低減効果が大きいと結論付けた。

またIATAによると、今年初頭からの世界の乗客数12億人のうち、航空機による旅行に関連して新型コロナウイルスに感染した可能性がある事例は全体の44件で、確率は0.000004%と2,700万人に1件の割合となった。

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