Airbnbが旅行系企業で過去最高額のIPO

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12月10日に、民泊仲介サイトを運営するアメリカの大手企業Airbnb(エアビーアンドビー)がアメリカナスダック市場において新規株式公開(IPO)を実施。

公募売り出し価格では1株68アメリカドルに設定されていたものの、初値は売り出し価格の2倍以上となる146アメリカドルに達し、アフターコロナを見据えた買い注文が殺到した結果となった。

Airbnbとは

Airbnb(エアビーアンドビー)とは、前述の通り民泊を仲介するサービスである。使用していない空き部屋や空き家を管理している一般ユーザーがホストとなりその情報を掲載することで、旅行者などの滞在希望者が部屋を借りられる仕組みだ。

世界最大の民泊仲介サービスとも言われているその規模は非常に大きく、世界10万以上の都市で600万件もの物件を取り扱っており、その規模は世界7大ホテルチェーンの合計客室数を上回るほどの規模である。

創業以降同社の利用者の累計は5億人を超えており、近年では定番の旅行先以外にも利用者が拡大している。実際に2011年には利用者の40%が10大都市に集中していたものの、2019年には宿泊利用者の92%が10都市以外の都市に分散していると同社が発表している。

 

現在では宿泊予約のみならず、現地のでアクティビティといった宿泊施設以外の商品の仲介も行っており、旅行者にとって重要な役割を担っていた。

また運営会社である「Airbnb, Inc.」は、アメリカのサンフランシスコに本社を構えており、日本においては2014年5月に「Airbnb Japan」が設立された。

旅行系企業最大のIPOを記録

AirbnbのIPOは旅行系の企業としては過去最大の価格を記録した。

冒頭に紹介したように、初日の取引は1株68アメリカドル(約9,000円)、評価額470億アメリカドル(約4.9兆円)で開始され、この金額は2013年に株式公開を行ったヒルトンの評価額である197億アメリカドル(約2兆円)を大きく超える額となった。

アメリカでは新型コロナウイルスのワクチンを当局が間もなく承認するのではとされており、ワクチンの接種が広がり新型コロナウイルスが収束すれば旅行需要も回復するのではという見方が広がっている。このことから同社の買い注文が集まったとの予測もある。

 

なおアメリカの旅行産業に関するニュースを配信している「Skift」の報道では、2012年のJALが87.4億アメリカドル(約9,080億円))、2010年のアマデウスが65億アメリカドル(約6,770億円)、2015年のIndiGoが42億1,000万アメリカドル(約4,380億円)と続いているという。

新型コロナウイルスの影響を大きく受けたAirbnb

順調そうに見えるAirbnbだが、同社も新型コロナウイルスによって大きく影響を受けた企業の一つでもある。実際に2020年4月には、新型コロナ流行前の310億アメリカドル(約3.2兆円)から急落し、180億アメリカドル(約1.9兆円)にまで下落していた。その際には2度にわたる資金の借り入れにより64億アメリカドル(約6,660億円)を調達している。

株式公開の検討も3月には行っていたものの、新型コロナウイルスの影響で80%もの収益が減少、5月には従業員を25%削減、加えてホテル事業やフライト予約といった投資も一時的ではあるが停止していた。

 

影響を受けたのは会社だけではない。宿泊施設を提供しているホストもその影響を受けていた。同社では新型コロナウイルスの影響で滞在予約をキャンセルしたゲストに対してホストに説明なく返金を行ったことで、滞在費を住宅ローンの支払いに充てていたホストは苦境に立たされていた。

これに対してブライアン・チェスキーCEOはオンライン会見で、次のように語っている。

「Airbnbの中心はあくまでもホストである。ホストは、その地を訪れたゲストと現地のコミュニティーの橋渡し的役割を果たすなど、宿泊以上の価値を提供している。私たちは単なる企業ではなく、ホストやゲスト、従業員、さらに投資家などのコミュニティだ」

 

こういった背景から、通常新しく発行された株式の多くは機関投資家に割り当てられるものの、同社では2億3,800万アメリカドル相当の株式をホストに割り当てていた。

これに対し同社でホストをしているジェン・シュレク氏は、ホストが同社への物件提供を高く評価されたと実感できる好ましい動きだと評価しているという。

ホストのうち何人がIPOに参加し割り当てられた株を購入したのか明らかではないものの、一部では需要が供給を上回ったという話も挙がっている。

 

今回のIPOは、ワクチンの接種が始まり、コロナが収束すれば旅行に行きたいと考えている人が多く旅行需要が高まっていることからも、新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされている旅行業界にとっても明るい話題となった。

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