イギリスでコロナワクチンを承認、日本へ1億2,000万回分

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12月30日、イギリス政府が同国の大手製薬会社であるアストラゼネカと、オックスフォード大学が共同で開発した新型コロナウイルスのワクチンを承認したことを発表した。

このワクチンが承認されるのは世界で初めてで、同国では2021年1月4日より接種を開始する予定だという。

今回発表されたワクチンは通常の冷蔵保存で保管できることから、発展途上国を含め世界各国への普及が期待されている。インドでも近く承認される見込みで、世界各地での接種が始まりそうだ。

イギリスでワクチンを承認 接種を開始

現在イギリスではすでにアメリカのファイザーとドイツのビオンテックが共同で開発したワクチンの接種を開始しており、これまでに約60万人が1回目の接種を済ませている。

二つのワクチンは保管時にマイナス70度を保つ必要があるため、郵送や保管の際に専用の設備が必要となるものの、アストラゼネカが開発したものは通常の冷蔵庫で保管できる。さらに価格も安い。

 

現在イギリスで猛威を振るっている感染力が強いとされる変異型に関しても有効だとされており、今後イギリス政府は、サッカー場といった大きな施設での接種を検討している。

ハンコックイギリス保健相は、30日に現地メディアのインタビューに応じ、「ワクチンを接種することでパンデミックが収束へ向かい、生活や経済が元に戻る」とコメントした。

 

なお日本政府は、アストラゼネカとワクチンを1億2,000万回分調達する旨の契約を結んでいる。このワクチンは1人につき2回の接種が必要なため6,000万人分に相当するという。

世界各国でもワクチンの接種がスタート

アジアでは、12月30日よりシンガポールでの接種が始まった。このワクチンはイギリスで現在接種されているものと同じ、アメリカのファイザーとドイツのビオンテックが共同開発したもので、同社が開発したワクチンの接種としてはアジアで初めてとみられている。

シンガポール政府は2021年9月までに、国民全員が摂取できる数を確保し2021年中には国民のうち希望者全員には投与する方針だという。

 

30日に最初に接種を受けたのは、シンガポール国立感染症センター(NCID)のに勤める看護師や事務職など約30人。このワクチンは2度接種しなければならないため、今日接種を受けた職員は2021年1月20日に2度目の接種を受ける予定だ。

今後他の医療従事者や70歳以上の高齢者から優先的にワクチンを接種してもらい、徐々に対象を拡大していく。

 

なおシンガポールでは、アメリカのモデルナや中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)からもワクチンを調達する予定で、政府はワクチン接種を義務化はしないものの、無料でワクチンを提供し接種を推し進める予定だという。

日本でのワクチン提供の予定

日本では12月18日にファイザーのワクチンの承認申請が行われており、審査が大きく簡略化される「特例承認」を適用することを目指している。国内で実施中の臨床試験のデータをもとに、最速で2月に承認される見込みだ。

厚生労働省の発表では来年2月下旬には医療従事者に、3月下旬には高齢者に接種を開始することを検討しており、その後基礎疾患のある人への接種と対象範囲を拡大していくという。

 

またワクチンの開発は国内でも進められている。その一つが大阪のバイオベンチャー企業であるアンジェスである。同社では他社と比較して最も早い6月には臨床試験を開始しており、12月より対象者を500人に増やし臨床試験を続けている。

同社で開発されているワクチンは、ウイルスではなくウイルスのDNAを使ったワクチンの一種である「DNAワクチン」の開発を進めており、投与により体内でウイルスを攻撃する抗体がつくられるという。

 

さらに塩野義製薬では12月16日より214人を対象に臨床試験を開始した。同社で開発しているのは「組み換えたんぱく質ワクチン」と呼ばれるもので、遺伝子組み換え技術を用いて、ウイルスのたんぱく質の一部分のみを人工的に作成し投与、体内で抗体を作り出すという仕組みだ。

 

新型コロナウイルスは変異型といわれる新しいタイプの感染が確認されており、ワクチンの効かないタイプの新型コロナウイルスが生まれる可能性もあり、ワクチンが投与され新型コロナが収束するとは言い切れないのも現状だ。

また発展途上国など国によって接種の格差が生まれることも懸念されており、課題はまだまだ残っているといえる。

そういった中で、冷蔵保存ができるアストラゼネカのワクチンは非常に期待が高く、今後のワクチン接種拡大へ一役買ってくれるのではないだろうか。

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