年末から日本全国で厳しい寒さが続き、西日本を中心に電力の需要が10年に1度とされる規模となった。
大手電力によって形成される電気事業連合は、国民に向けて節電の協力を呼びかけている。
暖房向けの電力利用急増
全国的に寒波が押し寄せ、各家庭では暖房による電力需要が例年に比べて大幅に増えている。
明日12日も広いエリアで悪天候が続き、電気の需給が難しい状況になると予想され日常生活に支障をきたさない程度に節電をするよう呼びかけを行った。
天気不良が続くと、太陽光発電による発電量が見込めないため、火力発電所に頼らざるを得ず、燃料となる液化天然ガス(LNG)の在庫が減少するリスクが高まるとされている。
液化天然ガス(LNG)が減少するリスク
液化天然ガスとは、気体として存在する天然ガスを冷却することによって液体にしたもので、都市ガスの原料や火力発電の燃料として利用されており主にマレーシアやカタール、オーストラリアから輸入している。
日本では輸入量のうち7割近くを火力発電の燃料に、残りの3割を都市ガスにしようして使用しているため液化天然ガス減少によるリスクは消費者である国民に直接影響し、広範囲におよぶ停電も懸念される。
日本では、発電用の水をくみ上げて電気不足を解消する揚水発電の設備が備えてられているが、液化天然ガスが減少すると揚水発電を稼働するための電力確保まで危なくなってしまう。
また、液化天然ガスは在庫不足をすぐに解決できるものではなく、輸入取引から日本に届くまでに2か月ほどの時間を要する。
コロナ禍において自宅に滞在する人が多く暖房器具を使用する時間が増えた矢先の大寒波という状況は、電力不足の更なる深刻化も否定できない。
家庭でできる節電・省エネ方法
経済産業省や地球温暖化防止センターでは、公式ページで節電方法について紹介しており、電力不足の悪化を防ぐために注意喚起してる。
・暖房使用時はドア、窓の開閉をなるべくしない。
・テレビは見ていない場合、電源を切る。
・カーテンは厚手で床まで届く長さのものを使用する。
・扇風機を併用し、温かい空気を循環させる。
・室外機の吹出口に物を置かない。
・エアコンの設定温度は20℃を目安にする。
・フィルターをこまめに掃除する。
このまま問題が深刻化すれば、停電のリスクが急増して生活に影響がでるだろう。
停電は電気がつかないだけでなく携帯電話やパソコンの未充電、ポンプ中断による一部トイレと水道の停止、給湯器が使えないというように、ほとんど世帯でライフラインが停止してしまう。
2020年末から起こる電気料金の高騰に次ぎ、液化天然ガスを輸入に頼り自然災害が頻発する日本では電気にまつわる問題が尽きない。
SNSやネットニュースには原子力発電所の再稼働をすすめる書き込みも多く、今後の解決策に注目が集まる。
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