株式会社ファーストリテイリングが親元の人気ファッションブランド「ユニクロ」が独自のスマホ決済サービスを開始した。
商品企画や販売効率を上げて更なる事業拡大を狙う。
UNIQLO Pay(ユニクロペイ)とは
ユニクロは、これまでに会員数3千万人を超えるオリジナルアプリにスマホ決済機能を加えたUNIQLO Payを発表し、19日から利用できるようになった。
UNIQLO Payとは、アプリにクレジットカードまたは銀行口座情報を登録してレジでQRコードを見せると支払いが完了するスマホ決済サービスで、開発には三井住友銀行が協力した。
会員登録無料、スマホ1つでスピーディーに支払いが完了し、会員限定サービスを受けることもできる。
これまでユニクロはPayPay(ペイペイ)やd払いなど他社のスマホ決済を利用していたが、ユニクロのアプリ会員の場合はアプリを2つ提示する必要があり顧客情報の収集が進まなかった。
UNIQLO Payは国内にあるおよそ800店舗以上で利用可能となり、将来的には姉妹ブランドであるGU(ジーユー)やファーストリテイリングのオンライン販売での適用も視野にいれている。
ユニクロアプリのメリット
これまでのユニクロアプリでは、会員限定の割引価格で商品をお得に購入できたり、特別クーポンの配布、在庫確認などさまざまな特典を受けることができた。
既存のアプリにスマホ決済サービスを追加したことにより、ユーザーはアプリを複数開く手間が減り、レジでの待ち時間も軽減される。
さらにユニクロ側は顧客の商品購入傾向や年代といったデータを把握できるので、新しい商品開発や販売方法の改善に役立っていくと期待されている。
スマホ決済の安全性
QRコードやバーコード、非接触決済によるスマホ決済サービスは2019年から急激にユーザー数を伸ばし、現在最大手であるソフトバンクグループのPayPayは登録者数が3千500万人に達した。
ユーザーにとってはスマホだけで支払いが済み、ポイントが貯まったりお得に買い物ができるという点がメリットだが、安全性については心配な面がある。
2020年に発覚した「d払い」に使用するドコモ口座から貯金が不正に引き出された問題の犯人が昨日19日に捕まったケースや「セブンペイ」で不正利用が起きたこともあり、アカウントの厳重なセキュリティ管理が重要となる。
ユニクロでは、アプリに銀行口座を登録する際に1度だけ発行されるパスワードを本人確認とする2要素認証を採用して、アカウントにログインできるのは1台のスマホのみという対策をとった。
対象となる銀行は三菱UFJ銀行と三井住友銀行、りそなグループの3か所に限り、クレジットカードはJCB、Mastercard、Visa、American Expressの4つの国際ブランドに対応している。
売り上げが好調なユニクロはスマホ決済の新規参入によってますます人気を集めていきそうだ。
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